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ヤンキーの虎

ヤンキーの虎

第46回
『ヤンキーの虎』
-新・ジモト経済の支配者たち
藤野 英人 著/東洋経済新報社 刊/1,400円(税別)

多角経営で地方経済を牽引
リスクをとった果敢な“攻め”で成功

人口減少、少子高齢化が深刻となり、それらを原因とする「地方の衰退」が大きな社会問題になっている。しかし、衰退する地方であっても、地元に根を張り多角的な事業を展開して成功する経営者が多数存在するという。ファンドマネジャーである本書の著者は、そうした地方の成功者たちを「ヤンキーの虎」と名づけた。本書では、彼らの実態を紹介しながら、その躍進が地方経済にどのような影響を及ぼすかを論じている。
「ヤンキーの虎」の特性の一つは、「リスクテイカー」であることだ。彼らは、経済が縮小する地方だからといって、リスクを避けることはしない。むしろ、地方では他にリスクをとるライバルがいないため、勝てると考えるようだ。また、一つのビジネスに固執せず、儲けられそうなビジネスをすぐに始める瞬発力と柔軟性を持っている。実際にさまざまなビジネスを多角的に展開していることが多い。
地方特有の事情も後押しする。地銀や信用金庫が、金融の地産地消を進めるために彼らに積極的に融資を行っているのだ。
ヤンキーの虎による事業は、「マイルドヤンキー」の雇用元になっている。地元愛が強く、年齢も若いマイルドヤンキーは地域再生において欠かせない存在といえる。ヤンキーの虎は、そんな彼らに活躍の場を与えているのだ。
本書では、都市部を舞台にインターネットやITの新しいビジネスモデルで勝負する経営者を「ベンチャーの虎」と名づけている。ヤンキーの虎とベンチャーの虎、この二つの「虎」がタックを組む、あるいは両者のハイブリッド(異種混合)が登場することで、日本経済の強靭性が増すのではないだろうか。

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