政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


地方の中堅IT企業を生き生きさせよう

有賀貞一(AITコンサルティング(株)代表取締役)

最近地方に関しての活動が二つ。一つは、札幌市で開催された「ITイノベーション研究会」で講演を行った。今年は主催者側からも、地場のIT企業の振興に役立つ話を、という要請があり、いつもより辛口の話をさせて頂いた。
もう一つは、静岡の中堅ソフトウェア会社からの、いかに地場企業から大きく成長させるには、というコンサル要請であった。この二つから、地方の中堅IT企業を生き生きさせるには、というテーマでまとめてみた。

革新性ある技術テーマのみで稼げるならば、ベンチャーもある意味楽なもの、皆ファンディングだけはうまくなったが、ビジネスでは苦労しているスタートアップも少なくない。「少し」イノベーティブで、大半はトラディショナルな中堅IT企業は言わんや、である。能書きだけでは大手、ピカピカベンチャーに負ける。市場から注目されるほど革新的ではない。ではどう生き延びて、成長させるか。 私は、ニッチジャンルにこそ宝があると思っている。革新的なビジネスモデルだからと言って、必ずしも収益性が高いわけではない。技術的困難性に直面することも多い。むしろ、周辺領域にこそビジネスチャンスがあり、しかも、それらには往々にして手足を機敏に動かすことを生かすビジネスもたくさん残っている。手足をきちんと動かす仕事を守る、ただし、下請けに徹せず、必ず独自サービス、商品を作る、他社との連携による新しい商材の獲得と活用により時間を稼ぐ、新しい技術動向にはアンテナを高く(すぐ飛びつけ、ということではない)し、出現した技術への理解度は高めておく、そして経営者は、経営戦略論等を正しく学びなおす!

基本的にスタートアップベンチャーがカバーするビジネス領域はそれほど大きくない。絞り込んで特化することに、成功のカギがある。しかし、IoTにしても,ビッグデータにしても、O2Oでも、FinTechではなおのこと、既存の業務システムとの連携、連動が必要だ。この辺はピカピカベンチャーほどやりたがらない。そのための手や足の動く要員がいないことも事実。新しいアプリの構築をやろうとすると、必ず旧来アプリとの連携、連動がいるというわけ。この辺が、中堅、中小業者の生きる道。
いろいろな手立てを講じて、地道ではあるが、地域に根付いた収益性の高い中堅企業を育て上げて行こう。力のある企業には、ニアショア的ニーズがある成長企業、大手企業から、業務の委託が来ることが期待できるのだから。中国やインドに仕事を出さなくとも、日本に優秀な人はいるのだ。

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