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アベノミクス、困難に直面

消費増税延期、日本経済の弱さ示す
-日本を見る世界の眼 -6月-

この時期の海外論調は、6月1日に安倍首相が発表した消費税率10%への引き上げを、22019年10月まで再度延期すると正式に発表したことに注目が集まった。この増税延期の決定は、日本経済と安倍政権による経済政策であるアベノミクスが大きな困難に直面していることを暗に示すものとの見方が支配的となった。
6月1日付けフィナンシャルタイムズは、安倍氏は増税延期の発表によって日本経済を覆うデフレの亡霊が未だ大きいことを認めざるを得なかったとの見方を示した。また、増税延期は、安倍氏の首相就任から3年たった現在においても慢性的な財政赤字に向き合うことができないほど脆弱であることを示すもので、金融緩和・財政刺激・構造改革の元来の「3本の矢」を放棄するどころか、世界最大の景気刺激策をいっそう大きくすることを決めた安倍氏はこの事態を恥ずべきであると批判している。
また、同日付ウォールストリートジャーナルも、消費増税の延期はアベノミクスの導入から3年たった今なお、日本経済がいかに脆弱かを明確にすることになり、同時に安倍氏が発表した景気刺激のための財政出動は、安倍氏が困難な状況に直面していることが表れており、アベノミクスが公約通りうまくいっていないことを認めることを意味しているとの見方を示した。
ニューヨークタイムズも同様に、安倍氏による消費増税の延期は、日本経済が脆弱であることを認めたものであり、日本経済を長期停滞から復活させると公約して政権に復帰した安倍氏にとっては、「大きな挫折」であるとの見方を示した。さらに、3年以上にわたる景気刺激策にもかかわらず、安倍氏が公約した賃金と物価に顕著な上昇が見られないことにも不満を募らせている。
ロイターは、安倍氏が消費増税を2年半延期したことは、日本経済の弱さを示すだけでなく、財政規律を二の次に追いやったものであると手厳しく批判している。しかも安倍氏はアベノミクスが失敗したという批判に対し、増税延期は中国の景気減速をはじめ外的リスクに備えるためだとして自らの判断を正当化したことは「こじつけ」とし安倍氏への失望を隠さなかった。

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