政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


20160715_01グローバル化の進展、国内市場の成熟化に伴い、日本企業を取り巻く競争環境は厳しさを増し、もはや自社のリソース(製品や経営資源)だけでは新しい価値(イノベーション)を生み出すことが不可能になってきている。企業にとっては、世界のリソースを活用するオープンイノベーション(OI)が必須戦略となってきている。
昨年2月にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)に「オープンイノベーション協議会(JOIC)」(野路國夫会長=小松製作所会長)が設立され、このほどわが国のオープンイノベーションの現状を可視化しようと、初の「オープンイノベーション白書」が取りまとめられた。JOICには7月現在、407社が会員として参加している。
白書では、第1章のOIの定義と変遷、2章のわが国のOIの現状など7章で構成されている。OIに関する定量的データを時系列に整理、先行的にOIに取り組む内外16社の事例、OIを創出するエコシステム事例(シリコンバレー、イスラエルなど)から、OI推進の課題、阻害・成功要因を分析・考察し、まとめている。
データに見る国内のOIの現状では、わが国の研究開発費の総額は18兆円。うち12兆円が企業の研究開発費になのに対し、企業から大学への研究費は1000億円に留まっており、研究人材の流動性も非常に低い。
また、企業との大学への1件当たりの共同研究費は海外が1000万円以上が一般的であるが、日本300万円未満が82%を占め、特許ライセンス収入は米国の100分の1、大学発ベンチャー起業数な米国の10分の1の水準に留まっている。10年前と比べてもOIの取り組みは活発化しておらず、自社単独開発が6割弱であり、未だ自前主義の傾向が強い。
この点、新産業構造ビジョンでも指摘されている。「日本は国際的な研究ネットワークからも外れており、世界全体で大きく増加している国際共著論文も相対的に少ない。研究費における海外資金の割合(2012年実績)も0・4%。英国の19・7%、フランスの7・7%、ドイツの4・2%と比べ大幅に低い」(学識者)。構造的抜本改革が必要な状況だ。
わが国のOIの課題・阻害要因から、OIを成功に導く要因は、①戦略・ビジョンなど組織上の要素、②外部とつながるための組織のオペレーション、③文化・風土といったソフト面の要素の3類型に大きく区分され、それぞれ課題が指摘されている。

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