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TPP(環太平洋経済連携協定)に暗雲が立ち込めてきた。次期大統領候補である共和党のトランプ氏は当初から「TPPに反対」を表明している。そこへ持ってきて民主党の大統領候補で初の女性大統領を狙う、ヒラリー・クリントン氏も「TPPに反対する」と強調した。

日本は11月の大統領戦後から来年1月の新大統領就任までの、オバマ大統領の「レームダック国会」での成立に望みを掛けているが、元々TPPに反対の米国議会を説得するのは至難の技だ。

ニュージーランド、シンガポール、ブルネイ、チリのEPA(経済連携協定)からはじまったTPPは日米を加え10カ国が2012年の最終妥結を目指していたが、米国の離脱が濃厚となってきた。日本は9月の臨時国会で、TPP協定の承認と関連法案の成立を目指している。

ここにきて自民党からも「日本だけ無理して先行承認する必要があるのか」といった慎重論も出始めた。多国間の貿易交渉はWTOのドーハラウンドに見られるように9年間長い交渉の末、最後には妥協に至らなかった例もある。つくづく多国間の交渉の妥結が難しさを浮き彫りにするTPPとなってきた。