政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


世界がいまや電子空間を陸、海、空、宇宙に次ぐ「第5の戦場」と定義している中、9月6日と9日の両日、本紙主催による「セキュリティビジョン2016」(東京・秋葉原のアキバプラザホール、名古屋市中区デザインホール)が開催された。今回のテーマは「セキュリティ立国イスラエルから学ぶ最先端サイバーセキュリティ対策〜」。

このシンポジウムは、経済産業新報社とJスピンの共同プロジェクトである「ITフォーラム&ラウンドテーブル」が主催、企画・運営するもので、経済産業省、IPA=独立行政法人情報処理推進機構ら多くの団体が後援している。当日は、企業のセキュリティ対策の専門家らが多数つめかけ、熱気あふれるシンポジウムとなった。

今回は、イスラエル経済貿易ミッション代表のノア・アッシャーさんの挨拶の後、特別講演1で、民間人として唯一、省庁のサイバーセキュリティ・情報化審議官についた経済産業省の伊東寛氏が「日本を取り巻くサイバー攻撃に対する経産省の取組み」を資料にとらわれずざっくばらんに解説した。

特別講演2では、イスラエルのサイバースパークCEOのロニ・ザハヴィ氏がサイバースパークの現状とイスラエルのセキュリティ立国戦略を講演した。最先端のセキュリティ人材が企業、大学、研究所から3万5千人、サイバースパークに集結させ共同研究している。世界中から200社が研究員を派遣してきており、現在までに400社のベンチャー企業が生み出されたエコ・システムの紹介に聴衆からため息が漏れた。

プレミアムプレゼンテーションでは、オフィシャルスポンサーである東陽テクニカの北山正姿情報通信システムソリューション統括部長が、KELAのR&D所長とともにイスラエルの最先端セキュリティソリューションを紹介した。またその後のトークセッションでは、ロニ氏がモデレータとなり、ZINPERIUM,CHECKMARXのソリューションとお客様事例が披露された。

最後に、IPAの江口純一セキュリティセンター長がモデレータとなり、伊東氏、北山氏、ロニ氏とともに、「今、求められるサイバーセキュリティ対策−官民連携による研究開発と実践、そして教育」について、パネルディスカッションが展開された。名古屋では名古屋大学未来社会創造機構教授の高田広章教授が加わり、自動車のサイバーセキュリティ対策を中心に議論を進めた。

サイバーセキュリティ基本法の第18条や、JTBへのサイバー攻撃の解説、IoT時代におけるセキュリティ対策、イスラエルのエコ・システムなどについて議論が及んだ。経営者のサイバー攻撃に対する意識の増進や官民連携、現場と経営者を繋ぐセキュリティ人材教育などの課題を共有した。