政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


「日本を取り巻くサイバー攻撃に対する経済産業省の取組み」
経済産業省 サイバーセキュリティ・情報化審議官 伊東 寛氏

経済産業省サイバーセキュリティ・情報化審議官 伊東 寛氏

経済産業省サイバーセキュリティ・情報化審議官 伊東 寛氏

私は元陸自にいて、民間会社でサイバーセキュリティ研究所の所長を務めていた。今年4月に、国の12省庁はサイバーセキュリティ対策の指令塔となるサイバーセキュリティ・情報化審議官を設置した。経産省だけは公募をかけ、5月に私が民間人として初めてその職に選任された。

IT利活用の拡大とともにサイバー攻撃の脅威も増大している。攻撃の事案は増加傾向にあり、手口が巧妙化、政府機関や企業への標的型サイバー攻撃により、個人情報や重要技術の情報が漏えいする事象が後を絶たない。

近年は社会インフラを標的として物理的なダメージを与えるサイバー攻撃のリスクが増大。テロリストや他の国家からなされるサイバー攻撃は、大規模停電など国民の生命財産を脅かす、明確な意図を持って行われるものがある。

2014年(平成26年)11月、国がサイバーセキュリティ基本法をとりまとめ、サイバーセキュリティ戦略本部が設置され、政府全体でサイバーセキュリティに取り組む体制が整った。そして、戦略本部の下に、各省庁の役割分担が定められている。

27年9月にはサイバーセキュリティ戦略が閣議決定され、「自由、公正かつ安全なサイバー空間」の創出・発展させるため、サイバーセキュリティ対策の強化が打ち出された。

経産省としては重要インフラ事業者に対するサイバー攻撃情報共有体制(J-CSHIP)の構築、制御システムのセキュリティ対策、サイバーセキュリティ経営ガイドライン、IoTセキュリティガイドラインなどに取り組んでいる。そして、人材育成の中核として
産業系サイバーセキュリティ推進センター(仮称)の設立を検討しているところだ。