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待ったなし! 有期雇用の「2018年問題」“同一労働同一賃金でも契約社員を無期雇用されますか?”

  野々垣 勝野々垣 勝社団法人全国請負化推進協議会
代表理事 野々垣 勝

派遣労働者も同一の組織には3 年間が限度となった

派遣労働者も同一の組織には3 年間が限度となった

『改正労働契約法』の施行により、有期雇用の労働者が5年を超えて反復更新にて本人の申出により、無期雇用となります。これが、有期雇用の労働者の「無期転換ルール(5年ルール)」です。その最初の5年目の期日が2018年4月1日にあたるため、“有期雇用の2018年問題”と言われているのです。

そして、有期雇用の労働者の「無期雇用」を推進したい厚生労働省は、全国の企業を対象に「無期転換ルール」に関する説明会を開催して、無期雇用化を後押ししています。また、「働き方改革実現会議」においては、政府が推進する「同一労働同一賃金」の議論も進められているため、企業は、無期雇用の決断に躊躇しているのが現状です。

また、この「同一労働同一賃金」は、とりわけ「非正規労働者の賃金水準を対正社員の8割にまで引き上げる」のを目標とし、年内に「ガイドライン」を策定する前提で議論しています。そして、これに関わる『労働契約法』のみならず、『労働者派遣法』、『パートタイム労働法』の3法一括改正が政府の望む方針であるため、「無期雇用」の問題は「同一労働同一賃金」の問題なくして語れないのです。

実際、企業担当者は「無期雇用のうえ同一労働同一賃金では、無期転換は難しい」とか、「同一労働同一賃金なら無期雇用は難しい」、「同一労働同一賃金」の問題は、正社員との賃金格差が大きい企業ほど、より大きな影響を受けるのです。そのため、既に一部の大企業では、有期雇用の労働者に関して、2017年9月末、もしくは同年12月末には「雇止め」を想定しているのです。

有期雇用の労働者(非正規労働者)は、国内の労働者の約40%、2000万人とも言われており、国内の労働環境は激変することになるのです。また一方で、有期雇用の契約社員を「雇止め」するにあたり、新たな労働力確保の模索も始まってきているのです。しかし、未曽有の労働力不足(人手不足)のため、新たな有期労働者の雇用も難しいのが現実です。

従って、2018年以降は、賃金格差が大きい大企業においては、有期雇用の労働者の直接雇用はなくなり、正社員そして直接雇用の労働者に代わり、「業務請負(アウトソーシング)化」が進むことになるでしょう。そして、人材確保が困難な中小企業においては、無期雇用への転換が進み、大きく二極化することになるのです。

 

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