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国際産業ネットワークの強靭性計る
世界初の試み APEC貿易担当大臣会合で合意

APEC21カ国が、わが国の提案により貿易・投資の国際産業ネットワーク(ヴァリュー・チェーン)の強靱性定量分析調査を開始した。

公開情報として活用するのは世界初の試み。自然災害、市場、地政学、インフラ、地理、規制・政策の6分野のリスクを指標化する。
 4月に行われたAPEC貿易担当大臣会合(MRT)において、アジア太平洋地域の貿易・投資の国際ネットワーク(ヴァリュー・チェーン)の強靭性に対する重要性が閣僚間で認識が共有され、わが国の提案により、APECとして、定量分析調査を開始することとなった。こうした国際的な生産・ビジネス・ネットワークにおけるリスクを定量的に分析し、公開情報としていくのは世界で初めての試みだ。
 近年、国境を超えた生産・供給ネットワークの深化に伴い、1地点における事象が貿易・投資等を通じた国際的な経済活動や産業ネットワーク(ヴァリュー・チェーン)全体のシステムを途絶させ、チェーンで経済・社会活動を営んでいる一連の企業や組織など全体のシステムを途絶させてしまうリスクが、これまで以上に高まっている。
 さらに、昨今の世界経済の成長の鈍化、新興国における成長のひずみの顕在化(格差問題、環境問題等)などを受け、国境を超えた企業活動を取り巻くリスクは質的にも変化してきている。
 こうした新たなリスクの高まりは、1企業や1国の個別の対応では対処しきれない要素を多分に含んでいる。
 今回の調査は、APEC参加国・地域(21カ国・地域)等のヴァリュー・チェーン強靭性を、国際統計を活用しながら指標化する調査である。調査手法は、サプライ・チェーン(国際物流・供給網)と、投資・事業拠点における生産・購買・販売活動の2つを不可分一体の一要素(ヴァリュー・チェーン)と定義する。
 次に、6つのリスク・カテゴリー、①自然災害、②市場、③地政学的、④インフラ、⑤地理的、⑥規制・政策に細分化。これら6分野に関連する、国際的に信頼のある統計(国連、世銀、IMFなどの国際機関統計)からデータを収集し、これらに一定のウェイトづけをしながら、6つの分野ごとのリスクを算出し、総合的にヴァリュー・チェーン強靭性を指標化(強靭性指数の算出)する。
 このAPEC調査プロジェクトの実施に先立ち、経産省は日本総合研究所の協力を得て、国ごと、地域ごとのヴァリュー・チェーン・リスクを定量的に分析・調査し、そのデータを公表した。今後、この調査はAPECに付属している政策シンクタンク「PSU(ポリシー・サポート・ユニット)」より内容を精緻・高度化して、実施していく予定。

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