政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


前・国際エネルギー機関(IEA)事務局長
田中 伸男 著(エネルギーフォーラム刊)

1974年OPEC(石油輸出国機構)に対抗して、キシンジャー米国国務長官が石油を融通しあう「石油消費国連合」をパリに作ったのがIEAのミッションであり、日本人として初めて事務局長に就いたのが田中氏である。第1部はその2007年から11年8月までのIEA時代の思い出が収録されている。
 とにかく権謀術数が渦巻くエネルギー外交の舞台裏を間近で目撃し、各国首脳の本当の姿がエピソードを交え語られていて面白い。「田中さんは外国人です」と紹介されたり、各国首脳が英語でジョークを交えながら、仲間を増やし、自国の意見への賛同者を増やしている姿など、ともかく日本人の発想から欠けている国際機関の上手な活用の仕方を教えてくれる。
 第2部は2011年3月11日以降日本に帰国して、友人であるOPEC事務局長のエル・バドリから「インシャラー(アラーの神の意思)である」との慰めを受けた。そして、未曾有の困難に直面する日本の再起のために尽くすと誓い、外国人として数々のメディアに発言・発信してきたコラムをとりまとめている。
 第3部はこれからのエネルギー安全保障政策。国際エネルギー事情を外から見てきた同氏の提言には説得力があり、ぜひ政策に反映されるべきであろう。エネルギー事情の解説書として秀逸。(定価1600円プラス税)。

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