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「攻めのIT投資」少ない日本
競争力強化で重要、米国はCIOも4.4倍

JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)が調べた「ITを活用した経営に対する日米企業の相違分析」調査によると、IT投資を「きわめて重要」とする企業の割合が、米国企業が高く、その差は約5倍の開き(75・3%VS15・7%)があることがわかった。

この調査は、国内企業における「攻めの」IT投資が少ない理由を探るため、JEITAがアンケート調査と取材を通じ、とりまとめたもの。
 対象は、グローバルで従業員数が300人以上、医療、教育、政府/地方自治体、情報サービスを除く全業種。回答者は経営者およびIT部門以外(事業部、営業、マーケティング、経営企画)のマネージャー以上。
 Webアンケートによる、最終有効サンプル数は日本216、米国194、直接取材は日本5社、米国2社であった。
 調査結果からわかったことは、①米国の非IT部門(事業、営業、企画部門など)では、「ITを競争力強化のために重要」と見ているのに対し、国内企業ではその比率が低い。
 ②IT投資を主導するCIOの存在を比較しても、米国ではCEO直下のCIOが日本の4・4倍いるのに対し、国内企業の情報システムトップ部門は、半数が非役員の情報システム部門長である。
 ③IT部門の役割も、米国企業がよりアクティブに、IT部門自らが業務効率化や事業開発を行う比率が高い。
 さらに、これまでITがもたらした効果についても、国内企業は社内業務効率化や人件費削減が多いのに対し、米国企業では製品/サービス提供の迅速化・効率化や社外情報発信効率化といった売上、マーケティングに直結するものが挙げられている。
 JEITAでは「国内で少ないIT投資に積極的な15・7%(34社)の企業」は、ITがもたらす効果を、製品/サービスの提供の迅速化や新規顧客獲得などの「攻め投資」としており、米国企業の結果と同様であった。さらに、リーマンショック後、「2ケタ以上の増収/増益を達成した企業の割合が多いのが特徴」としている。
 この調査に対し、記者からは「米国の直接取材が2社では少なすぎる」とか「情報システムのコスト比較もしたほうが良いのでは?」との質問も相次ぎ、次回の調査で検討すると、JEITAでは述べていた。
 とにかく、日米のIT投資額は2008年ベースで見ても、米国550兆円に対し、日本約200兆円と差があり、かつ伸び率でも大きく引き離されている。今回の調査からも、激しい市場競争や市場の成長を見込む企業はIT投資に積極的であることがわかったが、調査資料が不十分で、「IT投資に積極的な企業=パフォーマンス企業」と結論づけが出来なかった。今後の調査のさらなる深堀りが求められる。
 

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