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東陽ソリューションフェア2013

東陽ソリューションフェア2013

MBDの本質は素早い継続的改善を狙った開発にある

『これからの組込みソフトウェア開発 モデルと並列性を考える』をテーマとした東陽テクニカの「東陽ソリューションフェア2013」が11月1日、東京・日本橋の同社テクノロジーインターフェースセンターで開催された。

創立60周年を記念したこの技術セミナーでは、組込みソフトウェア開発の業界において、MATLABに代表されるモデルベース開発が増加している現状に鑑み、モデルを使った仕様の明確化とオートコードによるコーディング作業の自動化など、従来とは異なる手法による、次元の高いソフトウェア開発が始まってきている。
同時に半導体プロセッサの技術革新が進み、マルチコアからメニコアと呼ばれる並行処理が実用になってきた。しかし、多くのプロセッサを時間並列に動作させるソフトウェアの開発には高度な技術と技能が要求される。このセミナーでは、この難点を緩和する方法として理論、ソフトウェア開発と環境支援など複数の観点からの考察を議論した。
まず、トヨタ自動車エンジン技術開発部の大畠明理事は『MBDと組込みソフトウェア開発のこれから』をテーマに講演を行った。
組込みソフトウェア開発は年々複雑化し、その緩和手段としてMBDが推進されている。しかし、MBDの認識に混乱があり、その原因はソフトウェアの発注側と受注側の立場の違いにあるようだ。大畠氏からは、自動車OEMがMBDに何を期待しているかを紹介し、両者の連携の目指す方向について言及した。
自動車は大量生産され、長期間にわたり、技術者の手を離れて利用されるため、些細なことが重大な問題に繋がる可能性がある。そのため、組込み制御システム開発において、OEM側は全ての運転条件での振る舞いを保証しなければならない。だから、OEMからのRFP(要求仕様書)は絶対ではない。
一方、サプライヤーはRFPを満足させるソフトウェア開発に力を入れている。
年々複雑化する組込み制御システムのこの両者の矛盾を解消しなければならない。
MBDは制御対象とECUの振る舞いを表現するモデル(微差分方程式)を用い、素早い繰り返しを実施する。そのモデルと開発対象の振る舞いの差を比較することで精度の高い検証が実施できる。MBDの本質は、モデルをベースに、
開発対象と開発プリセスの素早い継続的改善を狙った開発にある。
サプライヤーには開発製品のDependability保証、開発プロセス改善への貢献、すなわちシステム視点開発への転換を求めている。具体的には、MBDの展開とモデル流通(プラント・ECU・部品モデル)を期待している。
次に、『デッドロック・フリー並行処理開発をテーマに、独立行政法人産業技術総合研究所高信頼ソフトウェア研究グループ長の磯部祥尚氏、『モデルベース開発およびマルチコア応用へのマイコン対応』について、ルネサスソリューションズツールビジネス本部の坂本直史本部長の講演が行われ
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