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審査委員長 技術ジャーナリスト
(元東京大学教授/日経エレクトロ二クス編集長)
西村 吉雄氏
「先端テクノロジー賞創」

本年度ETアワード2013の応募件数は6部門全体で43件だった。審査方法は2段階である。8名の審査委員が1次審査を行い,候補を絞り込む。次いで9名の最終審査委員が優秀賞を決定した。1次審査委員と最終審査委員は,重なりはあるが,半数以上が入れ替わっている。
部門別の応募件数には大きな差があった。これが審査を難しくした。かなりの数の応募のなかから1点の優秀賞を選ぶのと,わずかな応募から同じく1点を選ぶのとでは,選考作業は同列ではない。
もう一つ,それぞれの部門の期待と応募内容が合致しない例が,少なからず存在した。このときも審査は難航した。「落とせばいいじゃないか」,そう言われるかも知れない。けれどもその応募テクノロジーが面白い,優れている,そういうとき,どうするか。悩ましい問題である。
本年度の選考結果には,上記二つの悩みが反映している。「オートモティブ/交通システム」部門では,優秀賞をあえて二つとした。それぞれの応募の方向性に違いがあり,かつ甲乙つけがたく優秀だったからである。
一方「ロボティクス」部門には優秀賞に該当する応募はないと判断した。苦渋の決定である。
他方,部門とは別に「先端テクノロジー賞」を審査委員会は設定した。「それぞれの部門の期待とは内容が合わない。しかし明らかに優秀だ」。そういう応募を,先端テクノロジー賞として表彰することにしたのである。
ここに至るまでの審査委員間の議論は,活発を通り越して熾烈だった。最終審査委員会の現場で,再調査に近い作業まで行われた。厳正な審査だったことの証だろう。ETアワードが,この分野に従事されている方々の活性化のお役に立てれば幸いである。

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