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TUBAMEシリーズが大差で世界最高の省電力スパコンと認定

東工大のスパコン(スーパーコンピュータ)TUBAMEシリーズが省エネ性能で世界2冠を獲得した。

KS12月1日1面

世界一を喜ぶ東工大・松岡教授(右から2人目)

東京工業大学学術情報センター(GSIC)とNEC,米国NVIDIA社が共同で開発し、2013年10月から稼動しているスパコン「TUBAME-KFC」がThe Green500 List(TOP500のスパコンの電力性能=速度性能値/消費電力)で圧倒的な性能を発揮、他を大きく引き離す世界一位となった。
米デンバー市では開かれたスパコンの国際会議、SC2013において、米国時間11月20日に発表され、1W(ワット)当たり4503.17メガフロップス(1秒間に何回浮動小数点演算が出来るかの性能指標)と2位以下を大きく引き離す、世界最高の省電力スパコンと認定された。この数値は京コンピュータと比較すると5倍以上の効率となる。
近年注目を集めるGreen500で日本のスパコンが1位になったのは初めて。また今年から始まったビッグデータ処理の省エネルギー性を競う、The Green
Graph500 List(解析性性能/消費電力)でも、5月に1位だったIBMのブルージーン/Qを抑えて1位となり、省エネのランキングでは2冠となった。
TUBAME-KFCは、文科省のプロジェクトにより開発・設計された、TUBAME2.0の後継となる、15年度末稼動予定の3.0のプロトタイプ。計算ノードをオイルにつける油侵冷却技術を採用、少ない消費電力での冷却を可能にした。
開発を手がけた同センターの松岡聡教授は「今後のスパコンの課題は消費電力です。最速のスパコンを目指すと12MW、3万所帯の家庭用電力が必要となり、電気代も年約20-30億円が必要となる。この値は東電管内で一番、電気を消費する東大とデイズニーランドに匹敵する。
そのため、近年ではGreen500が注目されており、ここでの2冠の意義は大きい。世界一は来年の5月まではキープできそうだが、われわれはさらに次の開発・設計に取り組んでおり、競争はこれから本番となっていくだろう」。
このTUBAMEプロジェクトの開発予算規模は年間約30億円程度。京コンピュータは1120億円。運用費も年2億円対80億円と40分の1で済む。世界はいまやGreen500やGreen Graph500の実用レベルのスパコンの性能を競うようになってきており、速さだけを追い求める国のプロジェクトに、方向転換が迫られてきているようだ
この成果を報告する記念シンポジウムが12月10日(火)PM13時より、東工大・大岡山キャンパスで開催される。テーマは「スーパーコンピュータTUBAMEの進化と未来」。

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