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2014年は正念場を迎えると指摘
-日本を見る世界の眼 1月-

1月の海外メディアは、これまで何年もの間、経済成長の原動力となってきた中国が世界と互角に競争する時代に入りつつある中で、再びその原動力として日本に注目し始めたものの、日本経済の先行きに対する期待と不安が交錯する見方が目立つ結果となった。

1月16日付けのフィナンシャルタイムズは、日本の金融緩和政策を「過激な実験の真っ只中」と表現し、マネタリーベースを2年で2倍にする目標が失敗に終わり、インフレ率は再び低下してゼロに近づく可能性や、アベノミクスが大混乱や終末を意味する「アルマゲドン」を組み合わせた造語である「アベゲドン」に転落し、物価が制御不能となり、金利高騰と資本流出を招く可能性に言及している。
日本や世界にとって望ましいのは、金融緩和が効果を上げ、2%の物価上昇率と1・5%の経済成長率が実現されることによりアジアの成長はこれまで牽引してきた中国の拡大にブレーキがかかり、日本が影響力を盛り返すことであるとした。
しかし、物価上昇率がすべてを解決するものではなく、日本の国内賃金の上昇がなければ「絵に描いた餅」であり、4月からの消費税増税で需要が冷え込む危険があるなど、不安要因も多いとの見方を示した。いずれにせよ、2014年はこれら金融政策が機能するか否かが判明し、「正念場になる」との見方を示した。
続く1月22日付けの同紙は、アベノミクスの「第三の矢」である構造改革について、労働人口が縮小しつつある先進国経済で年2%程度の持続的成長を実現させるには、「影響の程度が小さすぎる」とし、持続的で奇跡的な技術革新こそが必要であるが中期的には「ありえなさそうだ」と懐疑的な見方を示した。
一方、1月28日付けのウォールストリートジャーナルは、日本の貿易赤字に着目し、2013年の日本の貿易赤字が1985年以来最大になったことについて、「安倍氏の円安政策がもたらした人為的な結果」であり、「心配に値しない」との見方を示しつつも、懸念を示すことを忘れていない。
アベノミクスは当初、円安による輸出促進で企業の設備投資と賃金を促し、国内消費の活性化につなげるというものであったが、この連鎖は実現することなく、企業は収益を増やしたものの、輸出量の低迷もあって今も将来への懸念を払拭できておらず、消費者はインフレに対する不安を抱えている。アベノミクスは必ずしも成功しておらず、現実との乖離が見られるとの見方を示した。
安倍氏は、今こそ貿易赤字に対し積極的に関与すべきで例えば、環太平洋連携協定(TPP)の発効は、日本市場を空前となる量の輸入品に市場を開放することになり、新たに生まれる競争は、非常に非効率的で長く保護されてきた国内向けサービス産業において企業のさらなる投資を促すことができるとし、このような投資こそ日本に求められているものであり、安倍氏に対し一層のリーダーシップの発揮を求めている。

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