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TPP交渉の漂流に警戒感
–日本を見る世界の眼 2月後半–

この時期の海外メディアは、2月前半に引き続きアベノミクスへの評価が主流となり、期待以上の効果が見られず、また、市場の関心事である規制緩和面についても、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の先行きについても不透明感が増すなどアベノミクスをめぐる情勢が容易ならざるものであることが浮き彫りになる結果となった。
2月19日付けのウォールストリートジャーナルは、2月17日に内閣府が発表した2013年10-12月期のGDPが年率換算で1・0%増となったことについて、「日本の経済成長が予想外に鈍化しており、期待外れの数値」と落胆を隠さず、安倍首相の言い分を認めようとするエコノミストや投資家に対しては「寛容すぎる」との見方を示した。
特に消費が「脆弱」であるとし、今年4月からの消費増税に対する駆け込み需要があったにもかかわらず、伸び率が低いことを捉えて、持続的に押し上げられている状況になく、「消費拡大は期待できない」と厳しい見方を示した。
また、拡大する貿易赤字については、輸入は前四半期比3・5%増と、輸出の0・1%増を上回る伸びを示したものの、全体のGDP成長率を0・5ポイント押し下げる結果となったことを捉え、安倍氏の政策の妥当性が「証明される兆しはない」と貿易赤字が経済成長の足かせとなっており、貿易赤字はアベノミクスと乖離が見られるとの分析を示した。
しかし、日本が現在目にしている経済効果よりもさらに強力な効果を期待することは理にかなっており、未だに実現していない経済改革の「第3の矢」である民間投資を呼び込む成長戦略や規制緩和の推進こそが鍵になると主張している。
一方、2月28日付けのロイターは、その規制緩和の推進力になるとされる環太平洋経済連携協定(TPP)について、「国内の岩盤規制に風穴があき、アベノミクスにとって大きな起爆剤となる」と大きな期待感を示した。
しかし、2月25日まで開催されていた閣僚会合が大筋合意に至らず、最終合意の目途も示せないまま閉幕したことについて、TPP交渉の漂流は「日本国内の規制緩和は進まないとのメッセージを海外勢に発信する」ことになり、6月の新しい成長戦略取りまとめまでに合意していなければ、「日本の産業競争力強化のための軸になる存在がなくなる」とTPP交渉の行方について警戒感を露わにしている。
その結果、アベノミクス全体の信認が落ち、安倍首相のリーダーシップに対し、海外勢を含めたマーケットの見方が厳しくなる可能性も出てくるとの懸念を示している。

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