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原子力はベースロード電源に

2020年までを「集中改革実施期間」

計画で示された電力需要に対応した電源構成

計画で示された電力需要に対応した電源構成

政府のエネルギー基本計画の原案がまとまった。この計画では、長期エネルギー需給見通しと同様、とりまとめはしないが、中長期(今後20年程度)のエネルギー需給構造を視野に入れ、今後取り組むべき政策課題と、中長期かつ総合的なエネルギー政策の基本的な方針をまとめている。

原案のはじめに、「震災前に描いてきたエネルギー戦略は白紙から見直す。原発依存を可能な限り減らす」とし、「福島原発事故の被災者の方々の心の痛みにしっかり向き合い、寄り添い、福島の復興・再生を全力で成し遂げる。ここをエネルギー政策再構築の出発点とする」と明記している。
特に、原子力については、安全性の確保を大前提に、エネルギー需給構造の安定性に寄与する準国産エネルギーであり、温室効果ガスの排出もない「ベースロード電源」として位置付けた。
今回の計画では、特に電力システム改革を始めとした国内の制度改革を完結するとともに、北米からのLNG調達など国際的なエネルギー供給構造の変化の影響がわが国に具体的に及んでくる時期(2018-2020年をメド)までを、安定的なエネルギー需給構造を確立する「集中改革実施期間」と位置付けた。その間、エネルギー関係インフラの強靭化・更新を進め、エネルギー政策の方向を定める、とした。
エネルギーミックスについては、各エネルギー源の位置付けを踏まえ、原子力発電所の再稼働、固定価格買い取り制度に基づく再生可能エネルギーの導入、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)などの地球温暖化問題に関する国際的な状況を見極め、速やかに示すとし、具体的な数字は掲げなかった。
政府は、この基本計画で示された詳細な課題に取り組むための体制を早急に整え、検討を開始する予定。
原発の再稼働については、安全性を大前提に、原子力規制委員会による、世界で最も厳しい水準の規制基準に適合した場合、再稼働を進める。その際、国が前面に出て立地自治体の理解と協力が得られるよう、取り組む。
原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる方針だ。
現代社会を支えるエネルギー需給構造は、複雑かつ緻密で、国境を越え国際的な拡がりを持ち、わが国にとって最適化することは容易ではなく、エネルギー政策に奇策はない。
目指すべき政策は、世界の叡知を結集させ、徹底した省エネ社会の実現、再生可能エネルギーの導入加速、石炭火力や天然ガス火力発電効率の向上、蓄電池・燃料電池技術などによる分散型エネルギーシステムの普及拡大、メタンハイドレートなど非在来型資源開発、
放射性廃棄物の減容化・有害低減化などあらゆる課題に向けた具体的成果を導き出す政策が必要、と結んでいる。

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