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23年連続世界最大の債権国

前年比20%増、今後も増大が続く見通し

財務省が先月27日発表した対外純資産残高は、2013年末の時点で325兆70億円、前年比9・7%増の2年連続、過去最高を記録した。

日本の企業や政府、個人が海外に持つ資産から負債を引いた対外純資産残高が300兆円を超えたのは史上初めて。

これで日本は23年連続世界最大の債権国家となった。この理由を、専門家は「円安傾向になったにもかかわらず、企業の海外でのM&A(合併・買収)や新興国投資は衰えておらず、むしろ増えている」という。
そのうち、資産に当たる対外資産残高は前年比20・4%増え、これも過去最高の797兆770億円となった。中でも特徴的なのが海外直接投資であり、同31%増の117兆7260億円となった。国内市場が縮小する中、今後も対外純資産は増えていくと予想する見方が強い。
わが国の所得収支を見てみると、これら対外投資による所得収支が毎年14-17兆円で安定してきているが、最近の貿易収支の赤字増大をカバーするまでには至っていない。
「わが国は欧米に比べ、証券投資の割合が64・5%と多く、直接投資の割合が29・0%と少ない。今後は貿易収支の赤字を解消していくには直接投資の比率を高めていく必要がある」(あるエコノミストの話)。
一方、対外負債残高も同29・1%増え、過去最高の472兆7000億円となった。これは海外投資家が保有する日本株が値上がりしたのが主な要因だ。内訳を見ると、証券投資の負債が4割増え、251兆8610億円となったのが大きい。
それでも、対外純資産残高から対外負債残高を差し引いた対外純資産残高は325兆円と世界一であり、「言い換えれば、日本は世界一のお金持ち国家といえる。政府には1000兆円の借金があって国が破綻するような議論があるが、それを上回る膨大な政府資産(米国の2倍)が日本にはあり、バランスシートをみても経済破綻などはとてもありえない話だ」(経済評論家・三橋貴明氏)。
この数字から、日本はより自信を深め、エネルギー問題を含めて、地に足のついた経済政策を進めていけば当面、この座は揺らぐことがないだろう。

国際収支構造から見た日本経済

国際収支構造から見た日本経済

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