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第1回
『暴露 ~スノーデンが私に託したファイル』
グレン・グリーンウォルド著/新潮社刊/1,700円(税別)

世界を震撼させた〝暴露〝の真の意図を明らかに

暴露 ~スノーデンが私に託したファイル

暴露 ~スノーデンが私に託したファイル

2013年3月、英紙「ガーディアン」等のスクープによって、米国政府による要人や一般人のプライバシーも含む世界的な極秘情報収集活動が明らかになった。その機密をリークしたのは、米国CIA(中央情報局)やNSA(国家安全保障局)で働いていたエドワード・スノーデンである。
本書は、この巨大スクープをものにした気鋭のジャーナリストによるノンフィクション。スノーデンから直接託された機密文書の中身を公開するとともに、香港のホテルでコンタクトを取り、誰よりも早く対面インタビューに成功した経緯、そしてすべてが公になった後に何が起きたかを、スパイ映画さながらの、スリリングなドキュメンタリータッチで追っている。
本書では世界を震撼させた大規模な個人情報漏洩の実態を知ることができる。そこから読みとれるのは、アメリカ合衆国が世界中の電子通信上のプライバシーを完全に取り除くことを意図していた、という事実だ。スノーデンは、多くの若者にとっての自由な自己実現の場であるべきインターネットの価値を守ろうとした。その価値はプライバシーと匿名性が確保されなければ消え去ってしまうものだからだ。
本書から強く印象づけられるのは、「情報」が持つ、とてつもなく大きな〝力〝だ。スノーデンの〝暴露〝は、その力を国家と個人のどちらがコントロールすべきなのかを我々に問いかけるものだ。彼には情報を使って人々の考えを一定の方向に誘導する意図はない。暴露した情報をきっかけやヒント、材料にして人々が考え、議論することを期待している。スノーデンが訴えたかったのは、そうした人を縛りつけない、自由な情報のあるべき姿なのだろう。(情報工場・編集部

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