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穴だらけの税制、是正の好機

最大の障害は時代遅れの企業文化

-日本を見る世界の眼 7月後半-

この時期の対日海外論調は、安倍政権が取り組んでいる法人税改革に注目が集まり、法人税改革のメリットを前面に打ち出しながら、法人税改革を梃子に経済構造改革への取り組みを求める論調が主流となった。
7月4日付けのウォールストリートジャーナル紙は、安倍首相が提唱している法人税減税について歓迎派、懐疑派双方の主張を紹介している。歓迎派は主に経済界に多く、欧州諸国と同水準にすべきとの立場であり、一方懐疑派は、法人税を払っているのは日本企業の3分の1に過ぎず、目立った効果は見込めないとする主張が支配的であると整理している。
同紙は「企業の投資決定に大きなインセンティブとなる」と歓迎派に軍配をあげている。しかしながら、日本が本気で海外投資家から資金を集めようとしているのであれば、税率が重要な問題になると見方を示している。
また同紙は、日本政府がこれまで製造業に対して提供してきた控除、免除などの税制上の恩恵は、税制そのものを「穴だらけにした」と分析しており、これらの穴だらけの税制が創造的破壊の進行を阻害し、成長ペースを鈍化させたと見方を示した。
今こそ法人税減税を契機に穴だらけの税制を是正する好機であり、労働市場改革、自由貿易協定をめぐる国会論戦が「泥沼にはまっている」中、法人税改革は安倍氏の最大の功績の一つになる可能性があり、「うまく仕上げれば成長エンジンの速度を速めるかもしれない」と安倍氏のリーダーシップに期待を寄せている。
一方、これまで恩恵を受けてきた製造業に新たな動きが見られ、中でも家電業界では顕著になっている。7月12日付けエコノミスト誌は、日本の家電メーカーは世界での市場シェアを失いつつある事実を直視し始めており、成長を目指し日本企業の技術力、知的財産といった「強み」を武器に、新分野への進出、事業の取捨選択など方向転換を模索しているとしている。しかし、その成長への道筋は未だに見えていないとの見方を示した。
最大の障害は日本企業を覆う時代遅れの企業文化であり、平均年齢60歳の経営者たちに未来の技術に大胆に賭ける姿勢が欠けており、終身雇用に固執していると批判している。安倍氏が主導する改革を通じて労働市場にも柔軟性が増せば、家電業界はどの業界より恩恵を受けるはずだと、一層の取り組み強化を求めている。

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