政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


改善と改革の違い

木内里美(株式会社オラン代表取締役)

業務改善は日々の努力で

筆者は業務改革や経営改革のコンサルティングを仕事としている。時々業務改善、業務改革、経営改革などの言葉が同じような概念で使われることに違和感を覚えるが、中身も手法もかなり異なるものである。
業務改善は業務のプロセスでのムリ・ムダ・ムラを無くすことによって業務の効率化や適正なリソース配分を行うことを目的にする。手法としてはプロセスの可視化をすることが重要で、可視化によって属人化している業務や人に仕事が付いている業務が見えてくる。
しかし可視化という作業は地道な作業であるので何かきっかけがないと取り組みにくい。業務改善は部門単位や業務単位や現場単位など小さな組織単位でも始めることが出来るし、組織立ってやることも出来るので「とにかく始める」ことが業務改善のポイントである。
改善は積み重ねが大切なので、日々の業務の中でPDCAを循環させなければならない。最も難しいのが継続することであって、一過性の改善は意味がない。日々の努力以外の方法はない。

業務改革、経営改革には経営者の力が必要
業務改革は改善とは異なる。プロセスそのものを見直すために、業務や組織の廃止や組み換えなどが起こる。全体の最適性を求めて一気に再構築をしていく。当然組織改編やルールの改正が伴う。既存の組織は往々にして抵抗勢力になったりするので、業務改革にはトップの強い意志と組織に向けたコミットメントが必要となる。
組織が膠着して、いわゆる大企業病になっている場合はBPRを伴う業務改革とその処理のための情報システム再構築が必須になる。業務改革によって売上げや原価や売上総利益や販売管理費や営業利益が見直されるので、P/Lの改善に有効である。
さらに経営改革となると、企業の発展と持続性を求めて事業モデルや投資や資金調達など事業全体の見直しをし、M&Aや撤退などまで視野に入れた経営判断をしなければならない。従って経営トップや経営陣の直接の力が決め手だ。
これらを行政に当てはめると、どうだろうか?業務改善は部署単位でも出来るからやれば結果は出る。業務改革はBPRを伴うので前例主義の中では容易ではないはずだ。10年ほど前に始まった「業務・システム最適化計画」も思ったようには進んでいない。組織の長の意思だけではどうにも進まないところが民間と異なる。そして経営改革は国会や議会がその役割を担うさらに困難な改革になるだろう。
以上
情流潮流

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