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輸出税含めコストが一番安い

エネルギーの多様性からも重要

6月モスクワで開かれた世界石油会議。その中の1つのセッション、「天然ガスの将来」で示された「ロシアの対日ガス供給の新オプション」のサマリーによると、サハリンからの日本の首都圏に海底パイプライン(PL)を敷設し、80億立方㍍の天然ガスを輸送するプロジェクトが輸出税を含む、コストが一番安く、可能性が高いことがわかった。

このサマリーは、ロシア科学アカデミー付属エネルギー調査研究所(ERI)と日本エネルギー経済研究所(JEEJ)が共同で作成したもの。
この会議には、国際石油資本(メジャー)の幹部がこぞって出席し、注目されたのがクリーンエネルギーとしてのガスであった。セッションでは、ロシアがまだ大量の埋蔵量を持つ天然ガスをアジア・太平洋地域に輸出するプロジェクトとのコスト比較が示された。
日本の買値を100万BTU(英国熱量単位)あたり12ドルを想定した場合、売却側のロシアが最もマージンを高く取れるのが「拡大サハリン2LNG」、次がサハリン-日本間海底プロジェクト(PL)となる。
ロシア側から見ると、LNG輸出には輸出税がかからないが、海底PLの場合、輸出税が3割上乗せできるため、その分のコストを見込むとPLが一番、良い方式となる。ロシア政府の判断次第で安定税収を確保でき、交渉の次第で柔軟に調整できる魅力的なプロジェクトとなる。
参加した元IEA事務局長の田中伸男氏によれば「世界中でガスがクリーンなエネルギーとして注目されている。日本も電力改革でいろいろなプレーヤーが電力市場に参入してくる。日本のエネルギー安全保障の多様性の観点から、シェールガスのみならずロシアからのPLというカードは持っておいた方が良い」と述べており、可能性が高まってきた。

サハリン- 日本の海底PLの優位性が示された

サハリン- 日本の海底PLの優位性が示された

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