政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


データ管理に基づく人事管理

鶴保征城 (HAL東京・大阪校長)

一時、未踏プロジェクトの優秀な人材がGoogleに入社して話題になった。米国でもGoogleに入るには、MITやスタンフォードなどの有名大学出身で成績優秀、技術力抜群でなければならないと信じられてきた。
当然、ハイパフォーマンスのリーダーは一層エッジの立った切れ者だと思われるのだが、驚くべきことにGoogleでの分析結果は全く逆であった。
簡単に言うと、Googleでのハイパフォーマーの条件は、「日々の行動が予測可能、かつ一貫している」ということだった。つまり、部下を必要以上にピリピリさせるタイプよりも、温かく見守るようなタイプ、悪く言うと、やや退屈な人物がリーダーとしてハイパフォーマンスを示しているという。
もともと上司という存在は、切れるタイプであればあるほど、干渉・指図・口出しなど部下の仕事を阻害することが多いとも言えるのだが、Googleではこういうタイプはリーダーとして優秀ではないということだ。言い換えると、やや控えめで部下の持っているクリエイティブな能力を存分に発揮させる人物がリーダーとして高いパフォーマンスを示している。
しかし、これは簡単にわかることではない。事実、創業者のLarry PageもSergy Brinも、彼らと同じ高学歴で優秀な成績のものを優先して採用していた。したがって、社内のハイパフォーマンス・リーダーは当然、このようなタイプだと信じていたようだ。
これをひっくり返したのは、人事に関するデータベースの構築と分析だった。もちろん、Googleは世界有数のデータ感度の高い企業だが、直感的に行われがちな人事の分野でも例外ではないということだ。入社時の適性データ、その後の面接結果、上司に対する部下の評価などをデータベース化し、実際の業務におけるパフォーマンスとの関係を分析した結果だと思う。
多くの企業では、声の大きな幹部が部下を強引に推薦して昇格や昇進が決まっているのではないだろうか。
「人事に関するすべての決定は、人事データおよび分析に基づいて行う」ことを宣言し、実行すれば社内の不満は相当軽減されると思う。

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