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NT紙「10%延期すべき」

4-6月期のGDPマイナス響く

-日本を見る世界の眼 9月後半-

この時期の対日海外論調は、安倍政権となっての初めて行われた内閣改造は重要視されず、安倍氏の経済政策であるアベノミクスへの評価と政治日程に入ってきた来年10月の消費税の再引き上げ問題に注目が集まり、本年4-6月期の国内総生産(GDP)がマイナス成長となったことからも、再引き上げは延期すべきとする論調が目立つ結果となった。
9月4日のウォールストリートジャーナルは、今回の内閣改造は安倍首相の経済政策が看板通りの成果を発揮できず、同氏への支持率が低下し続けているためであるとし、「遅きに失した感がある」とした。
改造の結果、主要ポストに数人の改革論者が起用されたこと自体については一定の評価をしながらも、アベノミクスにおいて約束された「第3の矢」に始まる構造改革が近く果敢に実施されると判断するには十分ではない、と失望感を示している。これまでアベノミクスの根幹を担っていた日銀による量的緩和の拡大についても安倍氏が期待していたほど経済的な救いとはならず、物価目標についても、2015年に2%に達成には不十分であり、円安誘導も日本の製造業界は競争力が低下し続けている中で生産拠点を海外に移転させる動きが止まらない、アベノミクスの成果に疑問を呈している。
その中で、今回の改造で安倍氏が消費税率の2段階引き上げの構築者である谷垣禎一氏を与党・自民党幹事長に起用したのは悪い兆候であるとし、来年の消費税再引き上げを安倍氏が意図していることに他ならないと警戒感を示している。
9月10日付けニューヨークタイムズは、本年4―6月期の国内総生産(GDP)が落ち込みを受け、来年10月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて、「延期すべき」と主張している。落ち込みの原因は、本年4月の消費税引き上げにあるとし、債務問題に取り組むという姿勢は評価しながらも、結果として消費そのものを冷え込ませることになったとの見方を示した。
安倍首相は今こそ、消費税引き上げという間違った政策を修正し、構造改革により経済を逼塞させてきたこれまでの慣行を改めることにエネルギーを注ぐべきとした。中でも社外取締役の増加や女性を高い給与が支払われるポストに積極的に登用することが重要であり、女性の社会参加比率を70%まで引き上げれば、一人当たりGDPを5%引き上げる効果があるとの見方を示した。
また同日付け英タイムズは、安倍政権の核心的な政策をめぐり安倍氏を取り巻くアドバイザーの間で亀裂が明らかになりつつあるとの見方を示した。特に消費税の再引き上げについては、依然として経済界の多くは、巨額の債務への対応するため、消費税の10%への引上げに理解している。一方で、安倍氏の強力な後援者の一人である日立の中西会長の否定的な発言を筆頭に、本田悦朗・内閣参与は、再引上げ時期を少なくとも2017年まで延期すべきとの主張も無視できなくなってきているとしている。

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