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WJ紙「アベノミクス正念場」

経済を傷つける「現金ためこみ企業」

-日本を見る世界の眼 9月後半-

この時期の対日海外論調は、安倍首相の経済政策であるアベノミクスの効果に対し懐疑的な見方を強める諸外国に対し、関心をつなぎ止めようとする動きや韓国と比較しながら、より強力な成長戦略の発動を求める論調が目立つ結果となった。
9月19日付けウォールストリートジャーナルは、「アベノミクス、ネクスト・ステージに移行」と題する安倍氏の寄稿を掲載している。安倍氏は、①アベノミクスのゴールは成長促進と脱デフレであり、そのため内閣改造を行った、②日本経済は景気後退から脱却しつつある、③法人税減税、コーポレートガバナンス強化にも着手した、④規制改革を断行する、との決意を示すなど、アベノミクスが正念場を迎えていることを裏付けた。
9月27日付け英エコノミスト誌は、近年先進国に見られる傾向として、企業貯蓄が増加しているとしており、成熟した経済において投資機会が減る中で企業経営者がこれまでにも増して金融市場の混乱から身を守る必要性を感じていることの裏返しであるとの見方を示した。
しかしながら、東アジアは「極端な例」であり、中でも日本企業と韓国企業は「世界最大の現金ため込み企業」であり、結果的に経済を傷つけていると批判している。日本企業は国内総生産(GDP)比で44%、韓国企業は同比で34%にそれぞれ相当する内部貯蓄を抱えている。
内部貯蓄がGDP比11%である米国企業並みにこれらを活用すれば世界のGDPを2%程度の押し上げることが可能であるとし、企業の内部貯蓄の活用が経済活性化の鍵を握るとの見方を示した。また、ケインズが言う「倹約のパラドックス」を引用しながら、企業による過剰な内部貯蓄は活力の喪失そのものであり、いち早い企業経営者の決断を求めている。
一方、政治レベルでは、日本では安倍氏が企業経営者に対し賃上げを求め、韓国では利潤課税の構えが見られるなど日韓両国において違った形で内部貯蓄活用の動きが見られるとした。このケースでは、安倍氏のアプローチの方が企業を細かく管理しようとする韓国の試みより賢明であると安倍氏に軍配を上げているが、企業に複数の社外取締役を置くなど安倍氏にはさらに打つべき多くの対策が残されており、安倍氏による一層の指導力の発揮を求めている。

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