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『未来企業』~レジリエンスの経営とリーダーシップ

『未来企業』~レジリエンスの経営とリーダーシップ

第7回
『未来企業』~レジリエンスの経営とリーダーシップ

リンダ・グラットン 著/プレジデント社刊/2,000円(税別)

激変する世界での企業のあるべき姿を
三つの領域から立体的に描く

「レジリエンス」という言葉が最近ではビジネス用語としてよく使われるようになってきている。「回復力」「適応力」「強靱さ」などの意味だが、企業のレジリエンスという場合は、未来に向けて、諸問題に適切に対処にしながら経営を維持する持続可能性を意味するのだろう。本書は、そうした企業のレジリエンスを高めるための方策について世界中の企業の事例をもとに論じている。
著者が2011年に出版した『ワーク・シフト』(プレジデント社)は、世界的ベストセラーとなった。同書では、社会が変化するなかでの個人の働き方が論じられたが、本書『未来企業』は、その企業バージョンという位置づけだ。
本書の真骨頂は、企業のなすべきことを、立体的に描いている点だ。「社内」「地域やサプライチェーンなどの周辺との関わり」「グローバルな課題解決」の三つの領域における企業活動について、各領域相互の関わりも踏まえながら論じている。たとえば従業員が働きやすい環境をつくることで、地域と関わる時間的・精神的余裕が生まれる、というように。高いレジリエンスを備えた「未来企業」になるには、こうした相互連関をストーリーとして描き、余裕をもった懐の深い経営をしていくことが肝要なのだろう。
地域やグローバル社会の課題への取り組みは、本来は企業ではなく、公的機関やNPOがするべきものと考える人は多いのではないだろうか。だが、東日本大震災を思い起こしてほしい。大災害に際しては、官民を問わずすべての組織や個人が一丸となって支援や復興にあたる。いま人類が直面している諸課題に対しても、同じくらいの危機感をもって取り組む必要があるのではないか。(情報工場・編集部)

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