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WJ「経営黒字、予想外に大」

海外収益は最大化したが、国内還元は?

-日本を見る世界の眼 10月後半-

この時期の海外論調は、LED開発でノーベル物理学賞に輝いた3人の日本人科学者に対し賛辞が送られる一方、直近に発表された鉱工業生産指数等経済指標の低さに日本の景気動向に陰りが見られるとする日銀の見方を引用しながら、消費税再引き上げ等難関が立ちはだかる日本経済の行方に注目する論調が目立つ結果となった。
10月7日付けのロサンゼルスタイムズは、3人の受賞者を「環境に優しく、省エネ型の照明によって、電力網にアクセスできず電気に無縁であった15億人もの人々を明るく照らすことに貢献した」と最大限に賞賛している。続く10月8日付けのインディペンデントは、LEDそのものを「地球の資源節約に貢献するもの」であり、「人類と地球環境に多大な恩恵をもたらし、太陽光発電と連係したLED照明は今ではアフリカの奥地でも広く活用されている」と人類社会への貢献を賞賛している。また、10月9日のウォールストリートジャーナルは、「受賞のニュースは近年存在感が低下している日本のエレクトロニクス産業の士気を高めることになるだろう」と好意的な見方を示した。
一方、日本経済の行方について10月6日付けウォールストリートジャーナルは、10月末に発表が予定されている日銀の展望レポートにおいて、今年度の国内総生産(GDP)の見通しが下方修正される可能性があり、これが年末の安倍首相の消費税再引き上げの判断に影響を与えるものになるとの見方を示した。
安倍氏のインナーサークル内部では、成長を優先させ増税は延期すべきとの意見と財政の健全性のためにも増税は必要だとの意見に分裂しているが、増税となれば日銀の追加緩和実施の可能性が強まると予測している。
続く10月8日付けの同紙は直近に発表された鉱工業生産指数について、日銀が懸念を示していることを取り上げている。4月の消費税引き上げが日本の経済成長にネガティブなインパクトをもたらしているとの見方を紹介しつつ、鉱工業生産指数以外の経済指標も日本経済がリセッションに入る可能性があることを示唆している。
10月9日付けの同紙は、日本の経常収支が8月も黒字になったことを取り上げており、黒字額の大きさが「予想外」であったとしている。進行した円安によって自動車メーカー、エレクトロニクス・メーカー、銀行などの海外での収益が大きく伸び黒字に大きく貢献したとの見方を示した。経常収支の黒字そのものは安倍氏が推進する「海外収益の最大化」政策が実を結びつつあることの現れである一方、問題は「これらの収益が賃金上昇、投資増、配当増という形で国内に還元されるかどうか」であるとし、この点については不透明な情勢であると不安を覗かせている。

 

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