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海外展開が課題 光源・器具一体のビジネスに

このほど、JLMA(一般社団法人日本照明工業会)が「照明成長戦略2020」を取りまとめた。青色LEDがノーベル賞を獲得し、大いに盛り上がる時期であるが、産業は大きく変化しつつある。この点をJLMA常務理事の内橋聖明氏に聞いた。

内橋常務理事

内橋常務理事

「以前のビジョンは2009年に発表したが当時は、蛍光灯の電子化による省エネ推進が主目標であり。LED製品が出始めた時期であった。しかし、この5年でドラスティックにLED製品が普及。その間、照明器具と電球の工業会が1つに合併して1年が経過、新しい業界の方針を2020年の東京オリンピックも見据え、打ち出したのが今回のビジョンである」。という。
今回のビジョンでは、2020年までにSSL(半導体照明)器具の出荷数量比率100%化、市場に設置されているSSL器具の設置台数比率(ストック)の50%化という目標を掲げている。
照明市場動向を見てみると、2013年の世界の照明器具市場は5・6兆円。うち23%がSSLだが、2020年には9・5兆円、SSLは67%とまだまだ成長市場である。しかし、日本の国内市場はすでに13年の出荷ベースで数量の約60%がSSL化しており、金額では約62%となっている。今後は少子高齢化、光源の長寿命化による取替え需要の減少、価格下落など、このままでは大きな成長は望めない。
「一般照明用光源の国内市場の出荷数量は06年の約1500万個から2013年には600万個を割ってきている。これは、省エネ手段としての間引き点灯や光源の寿命が延びたことなど、更新需要が少なくなり、さらに今後LED化が進むとさらに加速する」。
また、LED照明器具は器具と光源が一体化したタイプも増加しており、ますます更新需要が少なくなる。そのため、ビジョンでは照明の①海外事業の拡大、②高付加価値化(光の質、制御性、システム連動など)、③新光源(有機ELなど)などによる用途の拡大を成長の柱に掲げている。
「LEDは省エネ・地球環境に大きく貢献し、インパクトを与えたが、その分、新規参入者の増加など、ビジネスモデルと産業構造を大きく変えつつある」。
海外市場開拓にも課題はある。「以前は従来光源メーカー世界で数社しかなかったが、LED化により世界市場がボーダレス化し、日本のメーカーも海外市場に乗り出すチャンスである。ここをどう差別化し、攻めていくかが業界の課題だ」。
官庁と連携し、インドネシア、タイ、ベトナム、インドなどアセアン地域を中心とした新興国に対する技術支援、日本の規格、ガイドライン等を相手国標準に採用してもらうなど、日本メーカーが参入しやすい環境整備に注力している。  今後の課題は、まず第1に既存光源からSSLへのパラダイムシフトに対応した新秩序の構築であるという。健全な市場構築のために、これまで同様標準化の推進、測光試験所の整備や市場監視体制の強化を図っていく必要がある。
第2に、あかり文化の向上と地球環境への貢献である。ストック市場へのSSL化率拡大による、CO2、水銀使用量の削減など、地球環境への貢献とともに、調光、調色技術、照明システム連動など高付加価値製品の普及によりあかりの質の向上をめざす。
第3に海外市場の拡大である。官庁と連携した新興国への参入環境整備や、日本のブランド化推進だという。積極的に日本のLEDの質の良さなどを海外の展示会や、日本独自のイベント、商談会開催などを通じてPRし、日本ブランドの普及を図っていきたい」と語る。
青色LEDの発明により、LED照明が登場し、エジソン以来の照明産業が大きく変貌しつつある。半導体だけに、今後の予測は誰にも想像がつかない領域に入ったと言えるのは確かだ。

あかりの日街頭キャンペーンの模様

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