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プロデューサーシップ

プロデューサーシップ

第13回『プロデューサーシップ』~創造する組織人の条件
山下 勝 著/日経BP社 刊/1,900円(税別)

人の組み合わせではなく、一人ひとりの
「役割」の多様化による“共創”

日本のテレビドラマや映画を観ていて「俳優・女優がいつも同じような顔ぶれだな」と感じる人は多いのではないだろうか。ハリウッド映画や米国のテレビドラマは違う。見たこともない俳優がいきなり主役に抜擢されていたりする。
米国のエンターテインメント業界における人材の層は厚い。豊富な才能の組み合わせで、新しいものをどんどん創っていける。
米国に比べ層が薄い日本で斬新なものを創造するにはどうすればいいか。キャストの面に限っていえば、お馴染みの俳優・女優に、いつもとまったく違う役を演じさせればいい。清純派女優に殺人鬼の役を、極悪人役で定評のある俳優にマイホーム・パパを。
これは言わば「職域侵犯」だ。本書では、そのようにして新しいものを創造する人こそ「日本的プロデューサー型人材」であると説く。これはエンターテインメント業界に限らない、普遍的な創造の法則だ。
多様性は創造の源泉である。もともと移民の国であり、アメリカンドリームを求め世界中から人が集まる米国と比較すると、日本は「人の多様性」ではどうしても劣る。ならば、一人ひとりの「役割の多様性」を求めるしかない。
そこで、かっちりとした分業をせずに役割、職域の境界をあえて曖昧にする。そして職域侵犯をしながら互いに協力し「共創」する。本書ではそれを「キャリア連帯」と呼ぶ。
創造のためには、役割の固定された人をひたすら増やしていくしかない米国的なプロデューサーシップよりも、日本的な共創の方が効率的であるし、ポテンシャルが大きい気がする。一人ひとりの「人」は成長する。ゆえにその可能性は無限大だからだ。
(情報工場・編集部)

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