政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


「ゲームに学ぶ」

鶴保征城 (HAL東京・大阪校長)

近年、電車の中でスマホをさわっている人が増えてきたが、メールとともにパズドラなどのゲームを楽しんでいるのが主な使い方だと言われている。
CESA(Computer Entertainment Developers Conference)などの調査によると、ゲーム人口は3-79歳人口の26%、約2910万人、売上高は家庭用ゲーム(ハード+ソフト)で1兆2300億円(国内4000億円 、輸出8300億円)となっている。
業界の人口はというと、ゲームクリエイターの数は約5万人(プランナー13000人、プログラマー16000人、グラフィッカー20000人、サウンドクリエイター1000人)。業界を目指している学生は15000人、入学生は毎年5000人程度となっている。
筆者が勤務しているHAL東京でもゲームクリエイター志望者が多く、入学者の半数近くにも上る。
ちなみに、情報サービス産業は売上14兆円、従事者数は54万人。Googleの売上は約5兆円となっている。
「話題の割に小さいね」とか、「思ったより大きい」とか、上の数字をご覧になっていろんな感想があると思う。
従業員数をクリエイターの1.3倍とすると(全くの独断です)、一人当たり売上高は1900万円程度で、労働集約的と言われている情報サービス産業と大差なく、スマホゲームなどの人気の割には余裕のある産業ではないともいえる。
産業の規模はともかくとして、他産業がゲームに学ぶべきものは、人を引き付ける圧倒的な面白さだと思う。私はゲーマーではないので説得力ある伝え方ができないのが残念だが、ゲームや業界に詳しい識者によると次のようになる。
およそ人気のあるゲームには、次の3要素が巧みに織り込まれている。

1. 達成可能な目標
ゲーマーの実力に応じて倒せる、あるいはちょっと頑張れば倒せるように、敵が配置されている。簡単すぎても、難しすぎても面白みがなくなる。

2. 成長の可視化
敵を倒したり、障害をクリアするとスコアが表示される。何回か繰り返すとこのスコアが上がり、成長が実感できる。

3. 賞賛演出
ゲームのあるステージに到達すると、派手な表示が出たり、音楽が鳴ったりする。これによってプレイヤーの気分が高揚する。

ざっとこんなところ。一つ一つは特別なものではなく、現実の企業、例えばリクルートや東京ディズニーリゾートでも社員のモチベーションを上げるために行われている手法だが、ゲームではこれらが徹底して考え抜かれて設計されているのだと思う。
私はこれからの企業は、「ゲームに学ぶ」「ゲーミフィケーション」を避けて通れないと思う。少しでも早く、「達成可能な目標」「成長の可視化」「賞賛演出」をマスターした企業が時代の波に乗れるのではないだろうか。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">