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アベノミクスの光と影
「改革はほとんど前進なし」と評価

-日本を見る世界の眼 1月後半-

この時期の海外メディアは、安倍政権発足後2年を経過して見え始めたアベノミクスの光と影に焦点を当てた論調が目立つ結果となった。1月15日付けウォールストリートジャーナルは、安倍政権が押し進めてきた過去2年間の経済改革の成果について、自由貿易、労働市場の開放等改革の根幹をなす分野については「ほとんど前進が見られない」と厳しい評価を下している。
その一方、安倍氏の主導により昨年2月に「日本版スチュワードシップ・コード」の導入、続く6月には、少なくとも1人の社外取締役の選任を促すことを主旨とする改正会社法の成立は「企業価値」を改善するものであり、企業改革という点では安倍氏を含む日本の指導者達が危機感を抱いている証拠であり、投資家にとっても朗報であると好意的に評価している。
しかしながら、現時点において、東証一部上場企業の24%に社外取締役が存在せず、1人のみという企業が40%に達していることを受け、金融庁と東京証券取引所が最低2人の社外取締役、監査等委員会の大半が外部者であることを求める動きを見せるなど、取組のスピードは依然として遅いことを問題視している。
いずれにせよ、日本企業にとっては今後、取組の加速させることで収益力を高め、持続的な価値創造を通じて日本経済の投資連鎖の全体的な最適化につなげるしか方策はない、と主張している。
1月28日付けのフィナンシャルタイムズは、前月比10.4%減という結果となった昨年11月の機械受注総額に注目し、設備投資再び落ち込むのではという懸念を示している。日本国内では現在も続く低金利で資本コストはゼロに等しいにもかかわらず、設備投資に力が感じられないことはもはや日本経済の停滞は低金利政策では抜け出せないということ、日本ではすでに輸出主導型成長モデルは機能しなくなっている現れだとしている。
そのような中では、日本は今後、これまでの経済成長モデルで考慮されたことがない消費需要主導型にシフトすべきだとしている。しかしながら、アベノミクス「第1の矢」では内需拡大は考慮されておらず、円安と低金利に過度に依存し結果として貯蓄者、特に高齢者にとって痛みを強いており、このように家計を犠牲にして経済界を優遇する租税政策は、国内の民需が近く戻ることはないことを意味するものだと見方を示している。
また、「第2の矢」である小規模な財政刺激策も乗数効果がなく、増税によって相殺されてしまうなど負の面が大きすぎるとしながら、金融政策に依存しすぎるアベノミクスに懸念を示している。

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