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総額1兆4947億円、補正6600億円
地域経済再生(ローカル・アベノミクス)に重点

平成27年度の経済産業省予算は一般会計3383億円(対前年比6・0%減)、エネルギー特別会計7965億円(同8・7%減)となり、当初予算は小計で1兆1347億円(同6・2%減)と厳しい財政事情や基礎財政収支半減目標からスリム化された。
しかし、特許特別会計は1404億円(同11・3%増)、貿易再保険特会の2196億円(同7・6%増)を加えた全体では1兆4947億円(同2・9%減)となった。さらに、復興特別会計は982億円(同20・7%増)と拡充され、補正予算も6605億円(同19・9%)増となり、エネルギーコスト対策や中小企業対策費を中心に予算が拡充された。
予算のポイントは5つ。1つめは、福島・被災地の復興加速、2つめは地域経済再生(ローカル・アベノミクス)、中小企業・小規模事業者の活性化、3つめはイノベーションの加速、4番目は海外市場の獲得、投資の呼び込み、5つめはエネルギー対策となっている。
福島の復興では、産業復興・帰還支援のための、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金や中小企業組合などの災害復旧事業が大幅に拡充され、廃炉・汚染水対策(研究開発)に補正予算が231億円投入され、「福島イノベーション・コースト構想」の具体化が進められる。
地域経済再生(ローカル・アベノミクス)では、人口減少、首都圏への人材流出の中、地域経済を持続発展させていくには、良質な雇用の場の創造が重要として、「まち・ひと・しごと創生本部」と連携し、取り組む。具体的には、地域中核企業による産業集積、創業・第2創業、ベンチャーの促進、革新的サービス事業に対する補助、地域資源のブランド化などあらゆる対策が補正予算とともに盛り込まれている。
さらに、内閣官房・内閣府では、地域住民生活等緊急支援のための交付金(仮称)が補正予算で4200億円投じられる。具体的には、消費喚起・生活者支援のための、ふるさと名物商品券、プレミアム付き商品券、低所得者向け灯油購入権など、地方創生のための先行支援としてUIJターン、地域仕事支援に交付金が投入される。
イノベーション促進では、わが国のイノベーションシステムの改革を総合的に進めていく。産総研・NEDOによる技術シーズと事業化との「橋渡し」強化、A-MED(日本医療研究開発機構)を通じた、医工連携や再生医療研究、導入しやすいロボットの研究開発・普及促進が柱となる。
海外市場の獲得では、JETRO等を活用した海外販路開拓、インフラ輸出、クールジャパンの展開など、世界に「経済連携の網」を張りめぐらせ、新興国の成長市場を戦略的に獲得していく。
エネルギー対策では、エネルギーミックスを含め、第4次エネルギー基本計画に位置付けられた取組みを着実に具体化していく。また、地球温暖化対策について、日本の技術で貢献する「攻めの地球温暖化対策」を着実に実行する。
具体的には、まず消費段階では省エネの徹底推進と水素社会の実現。産業の省エネでは、工場と一体となった省エネ投資促進に補正を含め、1430億円投入される。
家庭、運輸部門では、エネファームや次世代自動車(FCV、EV)の購入支援や水素ステーションなどのインフラ整備に重点的に予算が投入される。
生産段階では、再生可能エネルギーの最大導入、多様な供給体制の確保(高効率火力発電、メタンハイドレート開発、地産地消型再生可能エネルギーなど)に取り組む。
流通段階では、強靭なエネルギーサプライチェーンの構築、中長期を見据えたエネルギー・環境関連研究開発に取り組む。
原子力災害からの福島復興の加速に向けての着実な実施、原子力発電の安全基盤の構築では、原子力損害賠償・廃炉等支援交付金(中間貯蔵施設)に350億円が投入される。
今回の予算は、一般会計ではロボットなどイノベーション促進や海外展開支援などわが国の競争力強化と革新的なものづくり・サービス産業の創出で地域の中小企業・小規模企業の活性化を図る。
エネルギー特会では、再生可能エネルギーの最大限の導入を図りつつ、「選択と集中」でメリハリのついた予算となった。また、エネルギー価格変動に耐性のある経済に転換していく省エネ予算となった。
復興特会では引き続き、被災地域の産業復興や雇用創出、福島における再生可能エネルギーの拠点整備に取り組んでいく予算となった。

平成27年度経済産業省関係予算案

平成27年度経済産業省関係予算案

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