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1年間で12万件、総額3兆円
設備投資を着実に押し上げる

経産省では、日本経済を再生し、産業競争力を強化することを目的とした「産業競争力強化法」が昨年1月20日に施行され1年が経過したことから、「産業競争力強化法」の関連施策の運用実績及び好事例を公表した。

それによると、生産性向上設備投資促進税制の昨年12月末現在、先端設備(A類型)と生産設備やオペレーションの改善に資する設備(B類型)の証明・認証件数は12万件を超え、総額3兆401億円となった。特に7月から12月の後半6ヶ月間で10万件超と、顕著な増加が見られている。
この税制の後押しにより国内回帰を決断した企業も多く、例えば、レーヨン繊維用油剤等の化学品製造業を営む竹本油脂では、従来海外に生産拠点を設けていたが、新興国市場向け増産対応と、円安効果や本税制の活用により採算性が確保できることから、愛知県内への工場新設を決めた。また、清涼飲料水のOEM製造やボトリングを手がける日本アスパラガスでは、多品種小ロット対応による競争力強化を図るべく、海外生産等の業務提携オファーがある中、本税制を活用して国内での最新鋭製造システム導入を決断した。
また、地域に根ざした中小企業も本税制を積極的に活用しており、例えば九条ねぎの生産に特化して農業ビジネス展開をしていること京都㈱においては、現在の4倍の広さとなる九条ねぎ工場を新設し、併せて生産効率の高い設備を新規導入し、収益力を向上させ安定した農業経営を実現しており、本件投資に伴い20名の追加雇用を実施予定だ。また、船舶用繊維ロープ製造業を営む中小企業である髙木綱業㈱おいては、海外からの安価な製品流入により競争が激化する中、本税制を活用して付加価値の高い新製品の生産を開始し、工場新設に伴い十数名の地元雇用を創出した。
その他、企業単位での規制改革スキームやリース手法を活用した先端設備等導入促進補償制度推進事業、ベンチャーファンド認定や国立大学等によるVC等への出資、創業支援事業計画など、案件が目白押しとなってきており、先行きに明るさが見え始めてきた。

(ご参考)
* 成長戦略にて、3年間で民間設備投資額を「70兆円」とする目標を設定。
* 安倍内閣発足後、民間設備投資は増加トレンドに転換、2014年7-9月期の名目設備投資額(年率換算)は68.5兆円まで増加。

アベノミクスと設備投資の推移

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