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FS紙、構造改革に不満

安倍・黒田の関係悪化の見方

-日本を見る世界の眼 4月後半-

この時期の海外メディアは、経済アナリストらが2015年第1四半期の経済成長予測を下方修正する動きが続く中、アベノミクスの行方に注目が集まる結果となった。
4月8日付けフィナンシャルタイムズは、経済成長予測が軒並み下方修正される一方で、株式市場は3月初旬の高値を維持していることについて、背景には「日本政府と政府関係機関の買い支え」があり、アベノミクスは実体経済よりも資産価格に大きく貢献してきたとの見方を示した。
安倍政権は今後、経済成長の基盤をより強固なものにするため、現在の株価水準に見合う経済構造改革に着手すべきであるにもかかわらず、重要な改革についてはほとんど進展がない現状について、政権側の取り組みに不満を表している。
また、日本企業に至っては、イノベーションはほとんど見受けられず、ベンチャーや世の中を変えるようなはみ出し者の台頭を阻害するような教育制度と年功序列が背景にあると断じており、アベノミクスの真の成功は経済改革の成就にあるとの見方を示した。
続く4月9日付けの同紙でも、日本企業の年功序列型の賃金体系や終身雇用制度、労働者が主導する生産性改善運動というような企業文化は、キャッチアップ時代には一定の合理性があったと一定の理解を示したが、現在の日本では「全く意味をなさない」と論じている。
現在の日本には、キャリアの途中で進路を転換できる多彩な労働力、それも別の会社に転職するだけでなく、全く別の分野に転進できるような人材が必要であり、より柔軟で想像力に富み、究極的には生産性の高い労働環境を生み出す必要があると主張している。
4月11日付けの英エコノミスト誌は、アベノミクスが当初見せつけた強みは安倍首相と黒田日銀総裁の「緊密な絆」にあったとしながらも、最近では両氏の関係が「悪化してきている」との見方を示した。その背景には財政政策、金融緩和を巡る対立があるとしており、安倍氏は経済成長に重きを置く一方、黒田氏は財政規律の維持に重きを置いており、財政赤字削減に関する安倍氏の取り組みが十分とは思えないと明言していることにあるとしている。
安倍氏は今年夏までに、財政再建に向け、後の赤字削減に向けた詳細な財政計画をまとめると約束しており、社会保障支出の大幅な削減は今後も政治的にタッチできない領域であるものの、根本的な対策が必要とされて中で、安倍氏、黒田氏の不協和音は今後の財政の持続性にも大きな影響を与えかねないと危惧を露わにしている。

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