政策と産業の最新動向を伝え、解説する“クオリティペイパー”


 世界200カで使えるグローバルSIMカード「TAKT」が登場

  海外での携帯通話料85%下げる
  各国のIOTをパスできる強み

2016年から本格化するSIMロックフリーに対応し、日本市場に「TAKT」を投入する平尾社長と先日、経済産業大臣賞を授賞した、弊紙コラムニストの鶴保氏に対談をしてもらった。

プラネットウェイCorp・代表取締役CEO・ファウンダー 平尾憲映氏

プラネットウェイCorp・代表取締役CEO・ファウンダー 平尾憲映氏

平尾 私は会社を今年7月に設立しました。台湾のサーコムというODMベンダーに勤めていた時、300社を回ったら95%の企業から「IoTについて教えて欲しい」と言われたのが創業のきっかけです。
企業家をサポートする起業を前提に、ワイヤレスゲートに入り、IoT向けの新規事業やプロジェクトを創る、プラットフォーム・ビジネスに乗り出しました。
そのうちの1つがTAKT(タクト)というブランド名で世界200カ国に展開している、グローバルSIMカードを使った海外渡航支援サービスです。
日本から毎年1700万人が海外に渡航しているが、海外でのローミングが高額で余り海外では携帯電話が使われていません。我々のSIMカードを使えば、最大85%のコスト削減ができる。プリペイド型なのでユーザーはあらかじめ金額を決めて利用でき後から過大な請求に驚くこともありません。このSIMは、IoT やM2Mにも使えるため、グローバル展開の一助になる考えています。
今年12月より、日本でのSIMロック解除が解禁される。当社のSIMカードは、日本でのスマホの3種類あるSIMに対応できる。現在でもCDMA製のスマホは10%程度シェアがあり、その端末であればすぐに使えます。
しかし、海外向けSIMフリーにするには手数料が3000円かかるので、より普及させるため、2つのSIMが使えるデユアルSIM端末をレンタルなどで提供していく予定だ。

学校法人・専門学校HAL東京・大阪校長 鶴保征城氏

学校法人・専門学校HAL東京・大阪校長 鶴保征城氏

鶴保 このSIMの技術を教えて下さい

平尾 この技術はマイナンバーやEガバメントの先進国、エストニアにあるトップコネクト社のものです。1996年からグローバルに展開するATTなどのキャリアと契約し、7大陸にサーバーが置いてある。

このSIMの入った携帯を持って日本から海外へ行った際、その地域で一番安く、通信環境の良いキャリアをチップに内蔵されたソフトウェアが自動的に選び、つなげてくれる。現在、200カ国以上で利用できるこのサービスを我々はまず日本で展開した後、アジアや米国など全世界で展開していく予定だ。
我々はこのSIMをエストニアの会社と共同開発し、「TAKT」というブランドで販売していく。
鶴保 アカマイに似ている。
平尾 我々の強みは、圧倒的な低コストです。例えば、米国で3日間、1日30分の通話と50メガの通信を使った時に、SIM代金、レンタル端末料、通信料、着信料、データ通信料を圧倒的に安く提供できる。
もう1つの強みは、今後伸びるグローバルIoT分野です。IoTで繋がる機器をグローバルに展開するにはインターオペラビリティテスト(IOT) を受けなければその国で使うことができません。
このIOTは各国の通信キャリアが決められた手順で行い、国によっては、半年以上の時間と数千万円以上のコストがかかる。我々のSIMを使えば、すでに各国のキャリアと契約しているので、このIOTが不要になる。だから、各種機器をこのSIMが使える構造にすれば、世界中の国のIOTを受ける必要がなくなり、すぐグローバルIoT製品として展開できるようになる。
鶴保 それは可能性が高いですね。
平尾 ですから我々をIoTプロジェクトを推進する、デフォルトのグローバルネットワークとして、利用してもらう。それにIoTで新規事業を展開していく“マッチングエンジン”としてソフトウェアベンダーをマッチングする「アベニュー」というサービスも展開していく予定です。
鶴保 B toBのためには日本の機器メーカーに認知してもらうのが先決だね。
平尾 おっしゃる通りです。
ところで鶴保さん、ベンチャー企業としてこれから気をつける点を教えて下さい。
鶴保 この20年大学発ベンチャーが1000社くらい出てきたが、成功したのはほんのわずか。皆、研究に特化していて、ビジネスプランを描ける人が少ない。
ベンチャーの場合、VC(ベンチャーキャピタル)と社長との人間関係を常に構築しておくことがカギだ。若い友人にタレントマネジメントを手掛けているベンチャー企業があるが、その点を上手にクリアし、自動車メーカーなど300社にソフトが使われだし、飛躍しつつある。
平尾 今後の目標はこのTAKTによるBtoC事業で2018年までに営業利益30億円をめざします。日本からの海外渡航者は1700万人。そのうち10╵15%(数10万~数百万枚)をターゲットにしています。SIMフリーが本格化する2016年から大きく動き出すとみている。
次にBtoBの海外出張市場に目をつけています。年間約500万人の海外出張での通信コスト削減や海外出張管理の一元化を図る。最後は、数百から数千兆円市場が見込まれるIoT通信市場。ここではグローバルに展開するメーカー向けに通信検証時間やコスト削減ビジネスを展開していく。2025年に1000億円、創業13年目で1兆円の売上を目指し、シスコの時価総額世界最速記録を破りたい。
鶴保 ビジネスプランは大きく、シンプルに描いたほうがいい。期待しています。

 プラネットウェイとは? 米国・サンノゼに本社のあるプラネットウェイ社の日本法人。IoT(モノのインターネット)の社会インフラ化・エコシステムの創出を目標に、多種多様な業種・技術群をアグリゲートし、グローバルに新事業を生み出していこうとしている。

<ひらお のりあき>2008年米カリフォルニア州立大ノースリッジ校卒業後、ソフトバンクモバイル㈱に入社。孫正義氏との出会いから新規事業創設に従事。10年サーコムジャパン㈱を経て14年2月、㈱ワイヤレスゲート新事業イノベーション室長、現在に至る。

<つるほ せいしろ> 1966年大阪大学大学院工学研究科電子工学修士終了、電々公社(現NTT)入社。89年NTTソフトウエア研究所長、NTTデータ常務、NTTソフトウエア社長を歴任。2004年IPAソフトウエア・エンジニアリング・センター初代所長。現在、電気情報通信学会・情報処理学会のフェロー。工学博士。

11月20日からヨドバシカメラで販売が開始されるTAKT

11月20日からヨドバシカメラで販売が開始されるTAKT

 

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