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「アベノミクス失敗、矢はない」
真の構造改革なくば、政権崩壊へ

日本を見る世界の眼 -12月-

この時期の海外論調は、11月16日に内閣府より発表された本年6-9月期GDP速報値が2四半期連続でマイナスに陥ったことを捉え、新たに打ち出された「新・3本の矢」への失望感を隠さず、アベノミクスの失敗を論じる傾向が目立つ結果となった。
11月7日付英エコノミスト誌は、安倍首相が慢性的な低金利と低インフレ率、大量に抱える公的債務など経済的混乱に立ち向かっていることに一定の評価をしながらも、本年第2四半期にはGDPがマイナス成長に陥るなど最近では経済が停滞しており、インフレ率も下落傾向に陥っているとして、安倍氏による取り組みのもの足りなさを指摘している。
この傾向が続けば日銀による一層の緩和策に頼らざるを得ず、国債残高がさらに増える可能性があり、「この先の日本経済は、未知の領域に突入することになるだろう」とアベノミクスの行方が不透明になったとの見方を紹介している。
11月17日付のウォール・ストリート・ジャーナルは、日本の景気後退に際し、安倍氏が首相に返り咲いてから2度目の景気後退であり、安倍氏が日本経済の停滞に終止符を打つという公約は未だに達成できておらず、「今こそ、再考の時」と論じている。
中でも、3本の矢のうち、構造改革こそが日本が持続的景気拡大をするために唯一期待できるものであったにもかかわらず、目玉となる成果は、環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意、コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)など限定的であり、「片足は従来の日本株式会社の政治経済学に突っ込んだまま」と安倍氏の取り組みが中途半端なものであることを手厳しく批判している。
最近では、子育て支援や社会保障の充実を打ち出した。これは政治的には人気があるものの、経済的には効き目がない、と論じるとともに、安倍氏が真の構造改革を推進しなければ、近く、「安倍氏自身が行き詰ることにもなりかねない」と安倍政権の崩壊もあり得るとの見方を示している。

18日付けロイター通信は、デンマークの投資銀行でCIOを務める主任エコノミストのインタビューを引用し、アベノミクスについて「失敗に終わったものであり、新・3本の矢は、もはや矢ではない」と報じ、「日銀が低金利政策をこれ以上継続しても効果がないことは政策担当者や学識者も認めており、財政政策に対する負の影響が上回っている」とアベノミクスを批判するとともに、円安政策によって他国に負担を負わせて、改革に取り組まないための時間稼ぎをすることをもう止めるべきとして、日本は円高政策を採るべきと主張している。

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