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衆議院議員(自民党)組込みIoTイノベーション議員連盟会長 河村建夫氏

衆議院議員(自民党)組込みIoTイノベーション議員連盟会長 河村建夫氏

IoTイニシアティブ2015
IoT実践による次世代ビジネスイノベーションの創出と成功のポイント

さる12月4日、東京・六本木の泉ガーデンギャラリーにおいて、ITフォーラム&ラウンドテーブル(経済産業新報・Jスピン)とIPAの共催、経産省等の後援による「IoTイニシアティブ2015」を開催した。その概要を2回に分けて紹介する。

組込みIOTイノベーション議員連盟の会長を務めております、衆議院議員の河村建夫です。この議員連盟は、2014年4月に発足しました。趣旨は、組込みシステムの重要性を認識し、標準化、技術者育成、ネットワーク化やセキュリティへの対応、中小企業支援などを通じて、組込みシステムを国家産業の基幹として位置付け、産業イノベーションを推進するものです。
会長を私が、事務局長を宮内秀樹衆議院議員・国土交通大臣政務官が務めております。これまで、有識者からのヒアリングや、現地視察など、精力的に開催しております。これまでの活動を踏まえ、近く提言をまとめたいと考えています。
今、あらゆる製品・システムがネットワークでつながるIoT(Internet of Things)が本格化しています。あらゆる製品・システムに組込みシステムが搭載され、それが組込みソフトウェアによってコントロールされる時代です。すなわち、組込みソフトウェアは、製品・システムのユーザーの利便性・安全性などを高めるとともに、製品・システムを製造する全ての産業の競争力強化に資する極めて重要なものです。
しかしながら、わが国の組込みソフトウェア産業は、いくつかの課題に直面している。一つは、あらゆる製品・システムがネットワークにつながるようになるため、ネットワーク、セキュリティなどの新しい技術の習得が必要になる。人工知能などの新たな技術を組込みソフトウェアに付加する必要性も指摘されています。
二つ目に、顧客はグローバルに広がっている。また、ソフトウェアの開発も海外企業との分業・協業が見られるため、組込みソフトウェア産業は、グローバル化に対応しなければなりません。そして、2つの変化に対応する能力を兼ね備えた、組込みソフトウェア開発技術者の不足があります。
仕事の重要性のわりには、納期が短く、かつ、受注額が低いという問題も指摘されている。人手が足りないのに短納期ということで、多忙なのに低額受注という厳しい状況だ。また、小規模な企業が多く、いわゆる下請取引が一般的で、価格決定権は発注側にある場合が多い。
組込みソフトウェアの重要性、組込みソフトウェア産業が抱える課題を踏まえて、組込みソフトウェア産業の競争力強化及び持続的発展のために、議員連盟では提言を出すつもりです。その原案を紹介したい。
提言の最初の項目は、司令塔機能の強化です。組込みソフトウェア産業は、様々な分野・業種と関係するため、産学官連携の下、府省の壁を越えて政策を立案し、推進していく体制、すなわち「司令塔」が必要です。
組込みソフトウェア産業は、産業構造が複雑で、しかも、小規模企業が多いので、実態把握が難しいとされているため実態把握も司令塔機能の一部に位置付けて、産学官が連携し、継続的な実態把握に努めていただきたいと思います。
提言項目の2つめは、技術力の強化です。グローバルな競争の中で、まずは高い技術力を身につけておくことが重要です。このために、将来の組込みソフトウェア開発に必要な基盤技術を、産学が連携して明らかにした上で、学術界が10~20年先に実用化する技術を研究してくれることを期待しています。
基盤的な技術を強みとして、それを広い産業領域にまたがって実用化し、日本製造業全体の競争力向上に貢献する、そういう活動を強化したいと思います。
欧米では、学界、産業界、政府が連携し、どのような技術の研究にどのように取り組むべきか、検討が進んでいると聞きます。日本においても組込みソフトウェアに関する技術を俯瞰し、次世代の組込みソフトウェアのコアになるような先端的な技術を抽出し、それに集中的に投資すべきです。
提言の3項目は人材です。組込みソフトウェアを搭載する製品・システムは高度化・多様化しており、組込みソフトウェア産業の人材の質・量及び多様性が、日本の製造業の競争力に直結することとなります。
しかしながら日本では、IoT時代の組込みソフトウェア開発を担う事が出来るIT技術者が、不足すると言われています。
1つは、将来にわたって日本の組込みソフトウェア産業ひいては製造業の競争力を維持するために不可欠な、先端的な技術を産みだす研究人材が必要です。
2つめは、実践的な人材として、基盤技術の実用化研究を行う人材です。産業界は、このような研究を実施することを、研究者のキャリアパスの一つにしていただきたいと思います。
3つめは、業種をまたにかけて組込みソフトウェア産業で活躍する人材です。
中長期的に求められる技術者の職種、スキル(職能)及びその量的規模の明確化を図る必要があります。
提言の4つめは、新たな産業構造への転換に関する問題です。組込みソフトウェアが搭載される製品・システムは、技術革新に加え、グローバル化が進みます。
このため、技術力の強化、人材確保に加え、ビジネスモデルの変革を踏まえ、組込みソフトウェア産業をより強固な産業にしていく道筋が要です。政府は、新たな技術を使った提案型、プラットフォーム型のビジネスなど、新たなビジネスに挑戦する組込みソフトウェア企業を特に支援すべきだと思います。

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