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仕事の技法

仕事の技法

第38回
『仕事の技法』

田坂広志 著/講談社 刊/760円(税別)

仕草や表情、微妙なニュアンスなどを
読み取り活用する「深層対話力」を指南

ミーティングや商談、会議、上司への報告、部下への指示・指導などの場面で、話をする相手の表情や何気ない仕草が気になったことがあるのではないだろうか。とくに話の内容が肯定的であったにもかかわらず、相手が浮かない表情を浮かべた時などには、「どうしてなのだろう?」と後々までモヤモヤした気持ちが残ったりする。
本書では、そういった気づきや違和感をそのままにせず、そこから重要なメッセージを読み取るスキルを、あらゆる職種・業種に共通する「根幹的技法」の一つとしている。すなわち、言語を使った「表層対話」に対する、言語以外(表情の変化や無意識の仕草など)でメッセージを伝え合う「深層対話」だ。本書では、その深層対話力のつけ方を、具体的なケースを多用しながら指南する。
著者は、商談や打ち合わせの帰り道などで、自社側の出席者同士でその場の振り返りをする、深夜に一人で「反省日誌」を書くことなどが、深層対話力向上の訓練になると説明する。そしてそこで忘れてはならないのは、相手への「敬意」だという。
「相手の表情や仕草から心を読む」と聞くと、読心術への連想から「自分の得になるように相手の行動を操る」と捉える人もいるだろう。だが、本書では、そうした「操作主義」は「必ず見抜かれる」として戒めている。それよりも相手の本心を読み、それに則して相手の利にもなる行動をとることで、強い信頼関係が築けるという。邪心を極力排した「善き心」をもって人と接することが深層対話のスキルを向上させる大前提なのだろう。

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