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英ガ紙「アベノミクス終わった」
WSJ紙「ガラス顎のボクサー」

-日本を見る世界の眼 2月後半-

この時期の海外論調は、原油相場の急落、中国経済の成長減速及び欧州銀行への懸念など世界経済が悪化する中で日本銀行がマイナス金利の導入という措置を講じた後も持続的な景気拡大の兆しが見られないことを受け、安倍政権の経済政策「アベノミクス」そのものの行き詰まりを示唆する論調が目立つ結果となった。

2月12日付けのウォール・ストリート・ジャーナルは、世界経済が悪化する中で円相場の急伸及び日本の株安という新たな事態により、アベノミクスは「ガラスの顎のボクサーであることが明白になった」との表現でアベノミクスそのものが脆く、行き詰まりを迎えているとの認識を示した。一方で、アベノミクスが失敗に終わっても「日本経済が崩壊するわけではなく、安倍政権発足前の状態への回帰」にとどまり、金利低下で膨大な政府債務残高も差し迫った問題にはならず、今後の関心はポストアベノミクスの経済政策にあることを暗に示している。

同日付け英ガーディアンは、「中国経済の不振、外需の停滞、石油価格下落などは安倍首相のコントロールが及ばない要素」としながらも、最大の問題は「安倍氏、黒田日銀総裁にとっての選択肢が急速に尽きている」ことであり、「日経平均の大暴落でアベノミクスは終わった。日本の景気浮揚構想は末期症状に来ている」と安倍政権の生命線であるアベノミクスそのものが失敗はもちろんのこと、安倍政権のそのものの存在が危ういとの見方を示した。また、来年は予定されている消費再増税については、政府負債軽減と医療社会福祉費を賄うために必要であるが、「経済の60%を占める個人消費を停滞させる可能性が高い」として、安倍氏が来年の消費再増税を行わない可能性が高いとの見方を示した。

これについては、2月19日付けフィナンシャルタイムズは、最近の円相場の急伸は、安倍氏が20102年にアベノミクスでの景気刺激策を開始して以来初めて外需の高まりに依存できなくなっている状況に陥っているとし、頼みの綱は個人消費と日銀の施策しかなくなっているとの見方を示した。そのため、安倍氏はさらに大胆な政策をとる必要に迫られ、それが来年4月に予定している消費再増税の延期になる可能性が高いとの見方を示した。安倍氏自身にも再増税を延期したがっている兆候はいくつか見られるが、ここでの問題は、安倍氏が共に連立を組む公明党の議員をなだめるために、すでに食品を軽減税率の対象として認めてしまったことにあり、安倍氏が消費税引き上げをすべて延期してしまったら、「ご機嫌をとった意味がなくなる」とし、消費再増税の延期は公明党との関係に影響を与えるとし、政局が混乱する可能性にも言及している。

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