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七千億円の買収提案受け入れ
大手企業では初 外資注入で再生へカジ切る

シャープは、25日の臨時取締役会で、台湾の鴻海(ホンハイ)工業からの出資を含めた7000億円買収提案の受け入れを決定した。これにより、シャープは鴻海の傘下に入るが、日本の大手電機メーカーが外資に買収されたのは初めてで、時代の流れを感じさせる。
シャープは、液晶事業の失敗から財務体質が急速に悪化、官民ファンドである産業革新機構から3000億円の本体への出資、融資枠として2000億円の提示を受けていたが、
経営陣の刷新、液晶事業の分割(ジャパンディスプレイとの統合)、白物家電事業の東芝との統合を要求されていた。
その際、「シャープがシャープでなくなる危機感」を経営陣が察知し、鴻海側の経営陣の続投、シャープ本体を存続させる、豊富な資金投入、急激なリストラを行わないなどの誘い水を向けた鴻海が主導権を勝ち取った形となった。
しかし、ここに至るまでの時間がかかり過ぎており、これからシャープ本体を建て直すのは容易なことでは難しいであろう。産業革新機構の主導で再生するのは、産業再生機構ではないので、海外から「無理筋」であるとの批判もあった。今後は、世界一のEMS(受託生産企業)企業の傘下で、徹底的に生産コスト削減や効率化をたたき込まれるはずで、ある意味、「良い統合」となった気がする。
なまじ日本の国内市場が大きいばかりに、IT事業や白物家電は内弁慶に陥り、海外市場の開拓に遅れをとってきた。鴻海によって、グローバルな事業展開という新しい血液を導入して再生していくことは他の電機メーカーにとっても良い刺激になるはずだ。
経産省の事情通も「今回の経営破綻は経営のマネジメントの問題であった。外資といえども強力なマネジメントが加わることで、シャープが強くなることは歓迎している」と静かに受け入れる方向だそうだ。
厳しい郭台銘とう事長のもと、経営陣が無傷で続投するとは考えにくい。どんな改革案を行うのか今後が注目される。

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