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物理学者が解き明かす重大事件の真相

物理学者が解き明かす重大事件の真相

第40回
『物理学者が解き明かす重大事件の真相』
下條竜夫 著/ビジネス社 刊/1,800円(税別)

マスコミが伝えない事件・事故の
真相を批判的思考法で明らかに

新聞やテレビ、インターネットなどのメディアを通して、日々大小さまざまな「事件」や「事故」が報道されている。しかし、いくら大新聞が伝え、高名な専門家が検証したとしても、そのすべてが真実であるとは限らない。
本書では、気鋭の物理学者が「批判的思考法(クリティカルシンキング)」を用いて、世間を騒がせたいくつかの重大事件の知られざる真相に迫っている。
著者の定義する批判的思考法とは、自分自身がどこまで理解しているかを明確にすると同時に、世の中でそのことがどこまで明らかになっているのかをはっきりさせることだという。数値データや、当事者や専門家の証言などを公平で厳密な視点と論理で分析、常識や定説を覆す事実や見方を浮かび上がらせている。
2005年に起きた福知山線脱線事故の原因は、スピード超過と公式発表された。ところが実は「車両の欠陥」という可能性も一部で指摘されていた。大問題になる恐れから「明らかになっている」にもかかわらず隠されたのだ。
また著者は、STAP細胞事件では、緑色に光る細胞の確認ができただけの段階で「STAP細胞はiPS細胞よりも優れている」と大風呂敷を広げて発表したことに問題があると指摘する。「まだ明らかになっていないこと」まで「明らかになっている」としてしまったのである。
このように、物事が「過小」や「過大」に発表、報道されることで、それが定説になってしまうこともある。私たちは、常に「過大」や「過小」がないかを見極める冷静な目を養う必要があるのではないか。

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