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世界」で働く。

世界」で働く。

第41回
『「世界」で働く。』
金城 拓真 著/日本実業出版社 刊/1,400円(税別)

現地の商習慣や価値観との衝突から
新しいものをつくり出すことが重要

グローバルに活躍する起業家と聞くと、多くの人がシリコンバレーなど、欧米でチャンスをつかむ若者を思い浮かべるのではないだろうか。だが本書の著者は違う。活躍のフィールドをアフリカに求め、今では途上国9カ国で50社以上を経営する「アフリカン・ビジネスの第一人者」の一人として知られる海外起業家だ。
本書では、欧米とはまったく異なるビジネスルールのもと、苦労しながら泥臭いビジネスを続けてきた経験から身につけた仕事の考え方を披露。現地独特の商習慣や価値観、行動傾向を紹介するとともに、その時々にどのような思考をもって対応し行動すればいいのかを判断するための原則がわかりやすく解説されている。
本書には、衝突やトラブルをきっかけに、逆に現地で人間関係を築くことができるという指摘がある。著者は過去に税務関係のトラブルがあり、現地の税務署で何日も説明や交渉をしなければならないことがあった。その時に、長時間一緒に過ごすことで自然と仲良くなった担当の職員を通じて、税務署内のいろいろな部署の人を紹介してもらうことができたという。マイナスの出来事であっても、人との接点としてプラスに使えるということだ。
現在、途上国では、衝突やトラブルを乗り越えることで新しいビジネスルールが築かれつつあるのだと思う。裁判でいう「判例」のように事例を積み上げていくことがそのルールづくりには必要なのだろう。途上国ビジネスに限らず、これまでの定型的な価値観が揺らぐ現代社会では、こうした「衝突から新しいものをつくり出す」姿勢が必須なのかもしれない。

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