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福島の着実な復興 、「経済」と「環境」の好循環を目指す ~ 令和4年度資源・エネルギー関係予算案のポイント
令和4年度の資源・エネルギー関係予算案を概観する。エネルギー対策特別会計(経産省分)は7181億円(前年度比273億円減)となった。そのうちエネルギー需給勘定が5521億円(同203億円減)、電源開発促進勘定が1611億円(同68億円減)、原子力損害賠償支援勘定が49億円(同1億円減)。一般会計(資源エネルギー庁分)は45億円(同1億円増)の予算案となった。補正予算の3192億円と合わせて16カ月予算となる。
令和4年度の資源・エネルギー政策の重点は2つ。1つ目は、福島の着実な復興だ。廃炉・汚染水・処理水対策の安全かつ着実な実施に476億円、「原子力災害からの福島復興の加速のための基本方針」の着実な実施に470億円、福島新エネ社会構想等の実現に向けた取組の推進に507億円を計上した。
2つ目の2050年カーボンニュートラル/2030年GHG排出削減目標の実現に向けたエネルギー基本計画の実現等による「経済」と「環境」の好循環では、2つのポイントを掲げた。
第1は、イノベーション等の推進によるグリーン成長の加速。エネルギー利用効率の向上には1176億円を計上した。先進的な省エネ設備の導入推進などに取り組む。
クリーンエネルギー自動車の導入拡大には473億円を計上した。クリーンエネルギー自動車の導入を加速する。
再エネの最大限導入には1219億円を計上した。太陽光については用途拡大等に資するタンデム技術開発や需要家主導による導入促進等に取り組む。
安全最優先の再稼働・原子力イノベーションには1249億円を計上した。高速炉や小型軽水炉(SMR)等の技術開発や原子力人材・産業基盤の維持・強化を進めるとした。
火力脱炭素化に向けたCCUS/カーボンリサイクル技術開発には539億円を計上した。CO2を原料としたコンクリート材料やメタネーション等の技術開発等に取り組む。
水素/アンモニアの社会実装加速化には989億円を計上した。水素利用拡大につながる燃料電池・水電解装置の基盤技術開発強化、工場・港湾等での水素社会モデル構築実証を進める。
さらに、2050年を見据えた長期に渡る研究開発・社会実装にコミットする企業等に対し、「グリーンイノベーション基金」による大規模かつ継続的な支援に取り組む。
第2は脱炭素化と資源・エネルギー安定供給確保との両立。分散型エネルギーによる効率的なエネルギー利用・レジリエンス強化には54億円を計上した。地域再エネ等のエネルギーの地産地消とレジリエンス強化に資する地域マイクログリッドの構築の支援などを進める。
資源・エネルギーの安定供給確保には2266億円を計上した。石油・天然ガスの安定供給確保のためのリスクマネー供給などに取り組む。
燃料供給体制の強靭化と脱炭素化取組の促進には227億円を計上した。脱炭素化に向けた実証・技術開発等を支援する。
(詳細は、経済産業新報・本紙で)