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インフラ・メンテナンス・建設業の基盤技術・ツールの1つとして役割を担うドローン ~「国際ドローン展」東京ビッグサイトで競演

製造業・建設業の生産性向上、持続可能な社会資本整備、レジリエンス向上を目指し、2022年7月20日から22日の3日間「メンテナンス・レジリエンスTOKYO」が開催された。相互連携、効果を最大限に引き出し、業界の枠を超えた技術・情報交流を促進する場の提供を目的として、国際ドローン展(22社)がその中核を担った。来場者数は、合計28,421人と発表された。
【国際ドローン展】
「ドローン.biz」チームは、「国際ドローン展」を目的として東京ビッグサイトを訪れたが、同時開催された・インフラ検査・維持管理展、プラントメンテナンスショー、i-Construction推進展などにもドローン関連の出展者が多く見られ、ドローンが既に各産業・各分野に浸透、ソリューション展開を行う上で重要な役割を担う技術として需要があり、サービスの起点となっている、まさにDaaS(Drone as a Service)が実装目前であるという印象を深めた展示会であった。
以降、特に印象深かった出展者(企業・団体)をご紹介する。
【ACSL】
国産ドローン開発のリーディングカンパニーである株式会社ACSL(本社:東京都江戸川区)は、本展示会最大規模の展示ブースで国産初の量産型ドローン「SOTEN(蒼天)」やペイロード5kgの物流専用ドローン「AirTruck」、水道管など閉鎖環境点検専用ドローン「Fi4」、用途に合わせ多様な展開可能なラインアップを誇る「PF2」など業種別に専門特化したドローンの紹介展示が行われていた。また、初日に行われたACSL鷲谷社長の特別講演「SOTEN(蒼天)について」には多くの聴衆が集まり、産官共同プロジェクト、量産型国産ドローン開発に対する期待の高さが伺い知れた。
【一般財団法人先端ロボティクス財団】
日本のドローン研究の第一人者として知られる「野波 健蔵※」氏が理事長を務める「先端ロボティクス財団」は、VTOLとカイト(凧)を組み合わせたVTOL可変翼カイトプレーン機(愛称:不死鳥)を展示。この機体は2022年3月24日横浜市と千葉市、約50kmの横断飛行を成功させており、東京湾上の超低空域にドローン物流ハイウエイを構築するための実証実験の一環として行われている。また、準天頂衛星測位システム日本版GPS「みちびき」を利用した実証事業(主催:内閣府及び準天頂衛星システムサービス株式会社)にも採択されている。
※野波 健蔵氏 千葉大学名誉教授・元理事・副学長、現「株式会社ACSL」創業者、元CEO、(一社)日本ドローンコンソーシアム会長
【リベラウェア】
株式会社Liberaware(リベラウェア)(本社:千葉県千葉市 代表者:閔 弘圭)は、点検・測量等に利用する屋内狭小空間専用の小型ドローン「IBIS」実機によるデモ飛行展示を行った。
「IBIS」ボディシャーシ、フライトコントローラー、モーター、プロペラ、バッテリーまで自社開発。カメラ性能も好感度CMOSセンサー『STARVIS」を採用したIBIS専用で、LEDも搭載し、暗部でも鮮明に撮影可能だ。防塵・耐熱も万全、提供形態は、動画データから3D化、点群化、オルソ化、不具合の検知と共有を容易に実現するために、パイロット派遣からデータ納品まで一貫して行う「点検サービスプラン」や、定期的な点検作業向けに機体レンタルから修理対応、講習会でパイロット育成、画像処理・加工・管理までパッケージ化された「年間レンタルプラン」の2つをソリューションに合わせ展開している。
【東洋製罐】
遠隔型スプレー缶噴射装置「SABOT」を展示。DJI社製の産業用ドローン(MATRICEシリーズ)に対応するペイロードとして開発した。例えば、ドローンに搭載することで、足場や特殊車両が必要な高所や危険な場所に対して、遠隔で噴射作業を行うことが可能となる。利用事例としては、マーキング(点検時の異常箇所、地上に対する区画位置 等)、簡易補修(ケレン不要な錆、マイクロクラックに対する表面処理 等)、害虫駆除・忌避、鳥類(鳩、カラス、ムクドリ、カワウ等)の忌避・洗浄など、様々な用途に適用可能である。
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