社告  令和6年1月の能登半島大地震ならびに9月の能登豪雨に見舞われた被災者の皆様に 心よりお見舞い申し上げます。    経済産業新報社

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2019/07/07

スペシャルトーク第2回 「世界の4つのエネルギ―革命に乗り遅れる日本」 ~シェール・ソーラー・グリーン・電化~

公益財団法人 笹川平和財団会長 田中伸男氏に聞く

 

「米国と中国が覇権を争う世界のエネルギー革命の変化に日本は何の対応もせず、従来型のエネルギー政策で乗り切ろうとしているのは非常に危険だ」と警鐘を鳴らす、元IEA事務局長の田中氏。IEAレポートを基に、思い切ったエネルギー政策に転換しなければ、国際競争から脱落しかねない現状と解決策を3回連載のインタビューで伝える。

 

――国際エネルギー情勢が大きく変化していると言われるポイントを教えて下さい

IEAは1昨年、世界エネルギー見通し(WEO)で「世界のエネルギーが今4つの革命に直面している」と述べた。1つは北米のシェール革命。米国がシェール革命により非常に安い石油やガスなどの化石燃料におけるドミナントプレイヤー(支配的供給国)となってきている。天然ガスを輸出し始め、間もなく石油も輸出する、圧倒的な化石燃料大国になっていっている。

2つめはソーラー革命。将来的に多くの国でソーラーが最も安い電源になる。日本の再生エネルギー価格は高く、政府はFITなどの強制的補助制度がないと売れないと見ていた。しかし、技術革新により、中国をはじめ太陽光のコストが急速に低下し、今後の最も安い電源は太陽光となってきた。

他の電源はどうなるのか?ガスや石炭より安くなり、日本の原子力より安くなるとどんなインパクトがあるのか?再生エネルギーは変動するという批判もあるが、貯蔵技術も進化してきており、太陽光を使わない国はとても高い電源を使う羽目になる。