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2021/11/16

来年は国産ドローン飛躍の年 ~経産省 川上室長に聞く

経産省と関係省庁が進めてきた「国産ドローン開発」が佳境に入り、量産体制を整え、12月には実機が市場に登場する。いよいよ、国産ドローンの時代が幕開けする。現在の状況を経済産業省製造産業局次世代空モビリティ政策室長 川上悟史氏(写真)に聞いた。


 

元々、2010年頃におもちゃとして開発されたドローンだったが、カメラを載せて空撮するようになると、マスコミなどでの利用が活発になり、さらに用途が拡大してきた。

日本では農業の人手不足から農薬散布ドローンが数多く活用されて来た経緯もあり、日本のドローンメーカーの製品ラインナップは、小型でなく大型の「産業用ドローン」が主流だ。

ところが近年、警察庁や防衛省、国交省といった政府機関において、警備や監視、インフラ(送電網等)点検に利用するニーズが高まってきた。こうした業務に使われるのは小型ドローンが想定されるが、機微な情報を扱うため、「小型ドローンのセキュリティは大丈夫か?」という声が上がってきた。

そこで、令和元年補正予算で16・1億円を計上し、高セキュリティで低コストの小型ドローンを開発する「安全安心なドローン基盤技術開発プロジェクト」(NEDOプロジェクト)がスタートした。このプロジェクトの先進な点は、ベンチャーと大企業が連携して進めるところである。

 

開発をベンチャーのACSLがリードし,量産と品質保証は大企業のヤマハ発動機、サーバやクラウド・通信はNTTドコモが担う体制となっている。研究開発型ベンチャー企業の意志決定と開発スピードの速さ、大手メーカーの品質管理と量産ノウハウ、大手通信企業の通信セキュリティ確保とクラウド管理能力を上手く整合させている。日本でものづくりベンチャーが余り出てこないのは、量産投資が大きな負担となること、品質管理体制の構築が困難であることなどが要因になっていると考えている。今回のプロジェクトでは、こうしたベンチャーの弱点を大企業が補うとともに、ベンチャーの強みである開発スピードの速さを活かす理想的な開発体制が組めた。

今後は価格競争力を付けるため、1機でも多く市場に展開されることが必要である。今、政府機関に加え、電力会社などの民間企業にも導入に向けた検討が進められており、セキュリティの関心の高い米国やインドからも関心が寄せられている。

(続きは経済産業新報・本紙で)

 

経済産業新報2021年11月15日号では、(社)日本能率協会(JMA、会長 中村正巳)が、2021年11月24 日 (水) ~ 26 日 (金)に東京ビッグサイト青海展示棟にて開催する「第7回国際ドローン展」(共催・日本ドローンコンソーシアム)に合わせ、「国産ドローン、発信」を特集でお届けしています。