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グローバル競争に必要な人材のスキル・能力は? ~未来人材会議がスタート
12月7日、経済産業省に「第1回未来人材会議」が設置され、議論がスタートした。デジタル化の加速度的な進展と、「脱炭素」の世界的な潮流は、これまでの産業構造を抜本的に変革し、労働需要のあり方にも根源的な変化をもたらすと予想されている。
2030年、2050年の未来を見据え、産学官が目指すべき人材育成の大きな絵姿を示すとともに、採用・雇用から教育に至る幅広い政策課題に関する検討を実施するため、「未来人材会議」が設置された。
今後、知的創造作業に付加価値の重心が本格移行する中で、日本企業の競争力をこれまで支えてきたと信じ、現場でも教え込まれてきた人的な能力・特性とは根本的に異なる要素が求められていくことが想定される。
日本企業の産業競争力や従業員エンゲージメントの低迷が深刻化する中、グローバル競争を戦う日本企業は、この事実を直視し、必要とされる具体的な人材スキルや能力を把握し、シグナルとして発することができているか。そして、教育機関はそれを機敏に感知し、時代が求める人材育成を行えているのか。
このような問題意識の下、この会議の事務局は、大臣官房未来人材室が行うとしている。
事務局の資料によると、日本の生産年齢人口は、2050年には現在の3分の2(約5300万人)に減少する。GDPランキングでも世界7位に下落する。わが国では、技能実習や専門・技術分野の在留資格など多様な外国人が約175万人就労している。
しかし、今後新興国の一人当たりのGDPが向上していくと、技能実習生などの受け入れが減少する恐れがある。NRIと英オックスフォード大学との共同研究によると、「日本の労働人口の49%がAIやロボットに代替される可能性が高い」と予測されている。
(中略)
このため、2030年、2050年の産業構造を複数のシナリオを設定し、労働需給を推計、それを踏まえた将来求められるスキル、能力を明らかにする必要がある。
採用・雇用から教育まで、全体を見通した人材政策、未来の日本を担うイノベーション人材を輩出・確保するための環境整備に取り組むべき、としている。
(全文・詳細は経済産業新報・本紙で)