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2050年までに需要が47倍に急増 ~蓄電池のサステナビリティに研究会
「新たなネルギー基盤」として今後需要が急激に拡大する蓄電池は自動車の電動化、カーボンフリー化のグリーン化、デジタル化の要である。他方、拡大に伴う環境や社会問題への対応が求められ、欧米ではサステナビリティの向上に向けた取り組みが始まっている。自動車大国のわが国でも、サステナブルな蓄電池サプライチェーン構築に向け、検討を進めるため、1月21日、第1回目の研究会が開催された。
研究会の座長は所千晴早大理工学術院教授。令和4年秋頃までに議論を取りまとめる予定だ。資料によると、わが国は2050年間までにカーボンニュートラルを目指すことを表明している。
国内のCO2排出量を見ると、全体の18.6%が運輸部門を占めており、そのうちの約86.1%が自動車からとなっており、早急な「脱炭素」化に向けた対応が急がれている。
政府は、グリーン成長戦略において、2050年に電動車100%の実現を掲げており、2035年までの新車販売(乗用車)で電動車100%の目標を打ち出している。
自動車の電動化に伴い、当面、自動車用蓄電池や定置用蓄電池(家庭・産業/系統用)の需要は急拡大していく見込みで、2050年には2019年比約47倍に膨れ上がると想定されている。
しかし、現在の蓄電池には技術な課題が多く存在する。1つは、電動車両価格の約3分の1を占めるバッテリーの高価格。2つめは、体積当たりのエネルギー密度がガソリン車に比べ約1/15、3つめは充電時間の長さ。急速充電器でも80%充電に30~60分が必要。その他、発煙・発火、経年劣化、電池材料の資源制約がある。
また、製造・廃棄プロセス上の課題もある。①GHG(温室効果ガス)の大量排出、②資源の大量消費・大量廃棄、③鉱物の採掘・加工プロセスにおける人権・環境リスクといった課題がある。
(中略)
今回設置された研究会では、今後、蓄電池のサステナビリティ確保に向けた制度的枠組みの検討を進めていくという。具体的には、①蓄電池のライフサイクルでのGHG排出量(カーボンフットプリント)の算定、②蓄電池SCにおけるリスクを継続評価・低減していく仕組み(デュー・ディリジエンス)、③リユース・リサイクルを促進する仕組み、④データ流通の仕組みを、まず、車載用蓄電池に絞り検討して行く、としている。
(続きおよび全文は、経済産業新報・本紙で)