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バッテリー電気自動車普及に向けた施策が必要 ~KPMGグローバル自動車業界調査2021
KPMGジャパン(森俊哉チェアマン)が2月22日、「KPMGグローバル自動車業界調査2021」及び日本における消費者調査を比較分析したレポートを発表した。
KPMGが世界の自動車業界のエグゼクティブを対象に実施したグローバル調査に加え、KPMGジャパンが日本国内の消費者を対象に実施した調査を比較し、自動車業界の展望を多角的に検証した。
BEVの市場シェア
調査によれば、グローバルのエグゼクティブは2030年までに日本、中国、米国、西欧においてバッテリー電気自動車(BEV)が新車販売台数の約半数を占めると予想した。一方、日本の消費者は5年以内に車を購入する場合、エンジン車が50%、ハイブリット車が33%で、BEVを選ぶとの回答はわずか11%にとどまった。
グローバルのエグゼクティブの見通しと日本の消費者の見解には大きな乖離があることが明らかになった。BEVを選択しない理由としては、充電インフラ、価格、航続距離などの要因が挙げられる。日本市場においてBEVの浸透を加速するためには、充電インフラの拡充など消費者のペインポイントに応える施策を積極的に講じることが必要だ。
BEVの充電性能
消費者が外出時に充電する際に許容できる所要時間に関しては、グローバルのエグゼクティブの77%が「30分以内」と回答、日本の消費者も81%が同様に回答した。
日本におけるBEVの普及には、従来のエンジン車と同等の利便性を備えた急速充電インフラの整備が重要になる。市街地における充電スタンドの整備に加え、高速道路のSA/PAにおける設置率の向上、マンション等における充電ソリューションの開発などの具体的な取り組みが必要だ。
BEVの普及に向けた政府の介入
政府の介入がなくとも今後10年でBEVが広く普及すると回答したグローバルのエグゼクティブは77%にのぼった。一方、日本の消費者の回答はわずか23%にとどまった。
日本におけるBEV普及には、充電インフラの不足などの課題が横たわる。充電インフラの整備に向けた政府支援の拡大が急務だ。
(つづきは、経済産業新報・本紙で)