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2022/03/23

物流コストインフレが産業競争力の致命傷に ~フィジカルインターネット・ロードマップを取りまとめ

経済産業省と国土交通省は、わが国の物流のあるべき将来像を探るフィジカルインターネット実現会議において、2040年を目標とした「フィジカルインターネット・ロードマップ」を取りまとめた。

 

電子商取引の増加や積載効率の低下、人口減少に伴う労働力不足の深刻化等により、物流における需要と供給のバランスが崩れつつあり、わが国の構造的な課題として「物流クライシス」が叫ばれている。

1つには、2010年代から高騰し始めた「物流コストインフレ」、2つめはEC市場の急成長による小ロット輸送の急増、3つめがトラック・ドライバー不足による物流の2024年問題。

これらの況を放置すれば、2030年時点で、7・5~10・2兆円の経済損失が発生するなど、経済成長の制約だけでなく、わが国産業競争力の致命傷になりかねない。また、物流機能それ自体の維持が困難になるおそれがある。

 

フィジカルインターネットは、インターネット通信における、データの塊をパケットとして定義し、パケットのやりとりを行うための交換規約(プロトコル)を定めることにより、回線を共有した不特定多数での通信を実現する考え方を、フィジカル、つまり物流の世界にも適用しようという考え方。相互に結び付いた物流ネットワークを基盤としたグローバルなロジスティックシステムである。

 

(中略)

 

ロードマップでは、業界横断的に行うべき取組みとして、「ガバナンス」・「物流・商流データプラットフォーム」・「水平連携」・「垂直統合」・「物流拠点」・「輸送機器」の6つの項目に整理している。

 

 

フィジカルインターネット2

 

 

フィジカルインターネットが実現する社会

 

ロードマップでは、フィジカルインターネットが実現する4つの価値として、「効率性(リソースの最大限の活用・CO2排出の削減等)」・「強靭性(災害にも備える生産拠点や輸送手段の多様化等)」・「良質な雇用の確保(労働環境の改善・新産業の創造等)」・「ユニバーサル・サービス化(買い物弱者や地域間格差の解消等)」が挙げられることを示した。

 

フィジカルインターネット

 

(続き・全文は、経済産業新報・本紙で)